NAGASAKI INSTITUTE OF APPLIED SCIENCE
長崎総合科学大学
「グリーンET技術者養成講座in長崎」(2009/12/3)
 

「グリーンET技術者養成講座in長崎」が12月3日(水)、グリーンヒルキャンパスにおいて県内外から企業関係者や研究者、学生を含め約90名の参加で開催された。
 この講座は、次世代のエネルギー技術や環境技術利用について考える技術者を養成しようと、これからのエネルギー基盤にかかわるスマートグリッドに関する講演が6つ用意され、九州地域イノベーションパートナーシップ 九州ITパートナー事務局が主催し、本学も共催として参加した。

 はじめに、主催者を代表しNPO法人九州組込みソフトウェアコンソーシアム(QUEST)副理事長 芦原秀一氏と、貴島勝郎本学学長が開会の挨拶を述べた。

 基調講演として「スマートグリッド及びその国際標準化の動向」と題し、九州大学大学院システム情報科学研究院客員教授 合田忠弘氏が、スマートグリッドの概略と定義、欧米の取り組みや違いを解説し、普及に向けて家庭内電力ネットワーク(HEMS)や制御通信機能付電気メーター(スマートメーター)の拡大について触れ、エネルギー供給体制の環境整備を提言した。また、国際規格標準化の動向にも注視し現在の状況について詳しく説明した。

 続いて、三菱重工業株式会社後藤正人氏は「風力・太陽光発電の特性とリチウム二次電池による系統連系円滑化蓄電システムの開発」と題し、自然エネルギー(風力、太陽光)とリチウムイオン電池を利用した合成電力による出力安定化について講演した。

 dSPASE Japan 株式会社有馬仁志氏は「スマートグリッドへのシミュレータの適用例」と題し、自動車をはじめとする多種多様な製品のテスト段階におけるシミュレータ技術について紹介し、スマートグリッドの展開に向けその技術の応用の可能性を説明した。

 慶應義塾大学西宏章氏は「長崎EV&ITSと分散協調型スマート・マイクログリッド構想」と題し、長崎県と慶應義塾大学が連携し、五島市で行われている”長崎EV&ITS”プロジェクトの計画概要を、電気自動車導入と環境整備、太陽光発電を利用したエコアイランド構想などを中心に解説した。また、デマンドによる省エネ実験の実例も紹介した。

 藤川卓爾本学教授は「NiASの自然エネルギー利用技術開発」と題し、エネルギー利用の歴史と化石燃料の寿命などをわかりやすく説明し、バイオマスガス化発電や風力発電、現在研究開発中の小型垂直軸型風車、長崎型BDF燃料の精製について講演した。

 最後に、田中義人教授は「長崎総合科学大学での地域貢献への取り組み」と題し、今年2月衆議院予算委員会での質問で、農林水産省と本学が開発した”農林バイオマス3号機”について取り上げられた国会ビデオ映像を紹介、更に東長崎エコタウン研究会による地域と連携した環境にやさしい研究を船舶海洋や農工連携、医工連携、情報デザイン、組込み技術分野に分けて紹介した。

 また、キャンパス内にはスマートグリッドの普及に強い影響がある電気自動車(i-MiEV)も展示・試乗され、学生達が関心を持ってモーターや制御の仕組みについて質問していた。


■グリーンET技術者養成講座in長崎
 式次第(演題、講演者)pdf

“スマートグリッド”とは、発電された電力を情報通信ネットワークで利用し、電力供給に付加価値を付けた次世代電力送電網のことで、分散型電源や双方向通信などを可能とした高効率で高品質、高信頼度の電力供給システムのこと。

“グリーンET”とは、地球環境や環境保全とET(Embedded Technologyの略、組込みソフトウェア)を合わせた言葉で環境エネルギー技術の意味。


■九州地域イノベーションパートナーシップ
http://www.kyu-partnership.jp/partnership_html/index.html


講座の様子


講演者の合田氏、後藤氏、有馬氏(左から)


講演者の西氏、藤川教授、田中教授(左から)


多くの関係者が出席した




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