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新技術創成研究所 第18回公開講演会 「カーボンニュートラルー脱炭素社会の実現に向けてー」を開催(12月12日)

2021年12月23日

新技術創成研究所 第18回公開講演会
「カーボンニュートラルー脱炭素社会の実現に向けてー」
日時:2021年12月12日(日) 13:30 ~ 16:30
場所:出島メッセ長崎 コンベンションホール

*新技術創成研究所 公開講演会のチラシはこちら

公開講演会

【開会挨拶】
長崎総合科学大学 学長 池上 国広

【基調講演】
世界で進むエネルギー転換と脱炭素
  公益財団法人自然エネルギー財団 事業局長 大林ミカ 氏

講演概要:世界では脱炭素を目標にエネルギー転換が加速度的に進んでいる。原動力となっているのは、コストの下がる太陽光や風力の自然エネルギーだ。自然エネルギーは分散型のエネルギーであり、地域が進めていくことで、より大きな潜在力を活かすことができる。豊かな自然エネルギー資源を持つ長崎県では、洋上風力の活用や、洋上風力産業の興隆が期待できる。コロナ危機により被害を受けた経済と社会を、もう一つの危機「気候変動」から守りつつ回復させていく、復興のあり方を考える。

【講演】
海洋再生可能エネルギー利用に関する技術開発
  東京大学大学院工学研究科 教授 鈴木英之 氏

講演概要:再生可能エネルギーの利用は地球環境問題と密接に関係している。まず地球温暖化と二酸化炭素排出の関係について紹介し、目標とされてきた温度上昇を2℃以内に抑えるという目標の持つ意味について紹介する。さらに、二酸化炭素排出削減に向けた世界の取組み、この数年で大きく変わってきた日本政府の方針、さらにカーボンニュートラル達成について技術的観点から可能性について紹介する。次いで再生可能エネルギーの種類と成因について紹介し、ほとんどが太陽エネルギーと月と太陽の引力を起源とすることを紹介する。その上で、最近大きく注目されている洋上風力エネルギーの開発動向について、基本2形式である着床式風車と浮体式風車の開発について紹介する。最後に一見困難が伴うと考えられる、再生可能エネルギー開発システムを洋上に展開する技術について、私たちはすでに持っていることも紹介する。

【講演】
脱炭素社会における電力システムのレジリエンス強化
  長崎総合科学大学新技術創成研究所 教授 松井信正 氏

講演概要:災害による長期停電によって、電力安定供給確保のためのインフラのレジリエンス(早期復旧)強化の重要性が再認識されている。脱炭素に向けた電力システムの移行期である現在、これまでの災害拠点病院の災害時の電力管理の研究を応用して、持続可能な電力運用のために、病院の電力システムの早期復旧と平常時の経済運用を両立させることを目的とした、人工知能ベースのエネルギーマネジメントシステムの研究・開発について紹介する。

【講演】
水素燃料電池船の開発
  長崎総合科学大学新技術創成研究所 教授 松岡和彦 氏

講演概要:現在、船舶の分野でも脱炭素の動きが加速している。中でも将来のクリーンエネルギー源として、利用時にCO2が排出されない水素燃料が注目されている。また長崎県では海洋再生可能エネルギーの実用化に向けた取り組みが着々と進んでいるが、それらの電力を使用して水素を製造することも検討されている。そこで長崎県では、いち早く「水素燃料電池船」のコンセプト作りにも取り組んだ。本講演では、水素を燃料にする船舶の技術動向や長崎にて基本設計を行った水素燃料電池の小型旅客船について報告する。

【閉会挨拶】
長崎総合科学大学新技術創成研究所 所長 田中 義人

講師紹介

大林 ミカ(おおばやし みか)
公益財団法人 自然エネルギー財団 事業局長
2011年8月公益財団法人自然エネルギー財団の設立に参加。財団設立前はアブダビに本部のある「国際再生可能エネルギー機関(IRENA)」で、アジア太平洋地域の政策・プロジェクトマネージャーを務める。2008年から2009年まで駐日英国大使館にて気候変動政策アドバイザー。2000年に環境エネルギー政策研究所の設立に参加、2000年から2008年まで副所長。1992年から1999年末まで原子力資料情報室でエネルギーやアジアの原子力を担当する。2017年に国際太陽エネルギー学会より「グローバル・リーダーシップ・アワード」を受賞。大分県中津市生まれ、北九州市小倉出身。

鈴木 英之(すずき ひでゆき)
東京大学大学院工学系研究科 教授
1987年3月 東京大学 大学院工学系研究科 船舶工学専攻博士課程修了 工学博士。1987年4月 東京大学工学部 専任講師。助教授を経て 2003年4月 大学院工学系研究科 教授。2008年4月 新領域創成科学研究科に異動。2017年4月 再度 東京大学大学院工学系研究科 教授。専門は、海洋システム工学、海洋石油開発のための浮体構造物の研究、メガフロートの研究を経て、現在は浮体式洋上風車の研究に取り組んでいる。

松井 信正(まつい のぶまさ)
長崎総合科学大学大学院工学研究科 教授
2009年9月 長崎大学 大学院 生産科学研究科博士後期課程修了 博士(工学)。2015年3月 株式会社MHPSコントロールシステムズ 退職。2015年4月 長崎総合科学大学 大学院工学研究科 / 工学部工学科電気電子工学コース教授。2016年4月 五島市 農林漁業エネルギー活用推進部会 副部会長。2018年12月 国際会議International Conference on Smart Grid 2018 / General Chair。専門は、制御工学・電力工学、大規模な電力プラント、スマートグリッドのエネルギーマネージメント、人工知能(AI)を電力制御へ適用する研究に取り組んでいる。

松岡 和彦(まつおか かずひこ)
長崎総合科学大学大学院工学研究科 教授
1999年3月 長崎総合科学大学 大学院 工学研究科 修士課程 構造工学専攻 修了。卒業後、2013年3月まで造船所の設計部門に勤務、船殻設計や設計システム開発を担当。2013年4月より長崎総合科学大学工学部工学科船舶工学コース。2005年3月 長崎総合科学大学 大学院 工学研究科 博士課程 修了。2008年~2010年 関西海事教育アライアンス 造船技術特論講師(船殻構造 担当)。2009年~2010年 日本マリンエンジニアリング学会 技術者継続教育基礎コース講師。海洋再生可能エネルギー普及啓発事業実行委員会 副会長長崎市IoT推進ラボ運営委員。

主催

長崎総合科学大学新技術創成研究所

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共催

九州西部地域大学・短期大学連合産学官連携プラットフォーム

後援

長崎県
長崎県教育委員会

ご案内

大林ミカ 氏

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鈴木英之教授

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松井信正教授

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松岡和彦教授

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