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第8回地域連携研究会が開催される(11/26)

 「地域連携研究会」が11月26日(金)、グリーンヒルキャンパスで一般来場者、学生、教職員約50名の参加のもと開催された。
 この研究会は、本学のユニークで先進的な研究成果を広く理解していただくとともに、地域への貢献と発展を地域の方々と一緒になって考えていこうと、毎月開催されている。
 今回はエコカーをテーマに2件の発表があった。

 はじめに鈴木高宏氏が、長崎県が五島列島で電気自動車をレンタカーとして展開している「長崎EV&ITS(エビッツ)プロジェクト」の概要を詳しく説明。既に電気自動車を100台導入し、島内各所に充電設備を敷設、今後は地元の観光情報を車内で視聴できる観光ITS「未来型ドライブ観光システム」の計画について紹介した。
 国内でもこれほどの電気自動車とインフラ整備の事例はなく、長崎・五島が先進的事例となり、車両、充電設備、観光情報などそれぞれの整備とネットワークの確立に向けて、基盤となる「統合観光情報プラットフォーム」の構築が重要であることを解説した。
 更に、これらのプロジェクトとクリーンエネルギー、スマートグリッドなどを総合的に盛り込んだ「五島エコアイランド構想」と称する計画も紹介され、観光とエネルギーの地産地消を融合させた新しいビジョンを示した。

 平子廉教授は、ガソリン自動車と電気自動車を対比しながら、自動車の歴史を振り返り19世紀末には電気自動車が市販されていたことを紹介した。地球環境に影響を及ぼす自動車の排気ガスについて、エンジンでの燃焼仕組みやエネルギー事情、排ガス・燃費規制の制度に至るまで解説。燃費向上する技術が進みCO2削減の一方で、自動車生産台数は増加し、総量でCO2が拡大していることを指摘した。
 現在の技術でガソリンエンジンの燃費向上はほぼ限界に達していると示し、化石燃料を使用しないエコカーについて、各車種(電気自動車、ハイブリッド車、水素自動車、他)の仕組みと特徴、環境への影響面、インフラ整備、他についてわかりやすく解説した。各車種とも一長一短ありそれぞれ課題を抱えていて、当面は用途に応じた使い分けが必要と説明した。


EVとは:Electric Vehicleの略。和訳:電気自動車。
ITS とは:Intelligent Transport Systemsの略。和訳:高度道路交通システム。


【第8回地域連携研究会】

●研究発表

1.「長崎エビッツとE-モビリティによる社会システム変革」
  長崎県 産業労働部 政策監(EV&ITS(エビッツ)推進担当)
  東京大学 生産技術研究所 先進モビリティ研究センター 客員准教授
  鈴木 高宏 氏

2.「エコカーの世界 ~自動車の環境・エネルギー問題 ~」
  工学部機械工学科 平子 廉 教授


○地域連携研究会
/eco_town/

○長崎EV&ITSプロジェクト
http://www.pref.nagasaki.jp/ev/ev&its/index.html

研究会の様子

研究会の様子

講演する鈴木氏

講演する鈴木氏

鈴木氏の講演

鈴木氏の講演

講演する平子教授

講演する平子教授

会場の様子

会場の様子