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長崎総合科学大学第3回公開講演会【 「ものづくり」の現状と未来 】を開催(10/30)

 長崎総合科学大学第3回公開講演会【 「ものづくり」の現状と未来 】が10月30日(金)、長崎新聞文化ホールにて、NPO法人長崎県科学・産業技術推進機構との共催で、公共・民間団体関係者、一般来場者、学生、教職員を含め約70名の参加で開催された。

 基調講演を長崎県科学技術振興局長中村修氏が「地域振興を支える科学技術」と題し、長崎県における産業構造、経済の現状と課題を説明し、研究機関を取り巻く課題や改革プランを紹介した。科学技術振興局として水工・農工・医工連携分野の新規開拓を支援する立場も紹介。県内企業の生産性・技術力の向上など産学官連携活動の活性化を目指すことや、グローバルな観点から長崎の未来を考え「人が集い、安らぎ、輝く長崎県作り」の方針が示された。

 続いての特別講演は、株式会社アポロン代表取締役彌永真氏が「「ものづくり」が日本を支える!」と題し、わが国の高度経済成長期から今日の経済不況まで日本の製造業を軸に、どのように「ものづくり」が変わってきたかを説明。またご自身も発電用蒸気タービン設計やマイクロソフト社のビルゲイツ氏との漢字パソコン開発についても披露された。
 今後の日本の「ものづくり」は、組み込みソフトウェアや燃料電池など外国に真似のできない産業で、世界のリーダーとして常に先に進み続けていくことを提言された。

 次に本学大学院博士課程の社会人学生による研究発表が3件用意され、1番目に堤さんが、蒸気タービンでのタービン翼の蒸気の流れ摩擦による損失について検証し、翼の形状を工夫し性能を向上した研究について発表した。

 2番目に中島さんが、船舶や鉄鋼構造物などの溶接構造物の継手部分の疲労強度の向上について研究し、疲労亀裂進展が抑制できる鋼板を開発したことについて発表した。

 3番目に廣田さんが、船舶の疲労亀裂発生・進展防止について、亀裂が発生しても高強度の鋼板開発と安全性耐久性に配慮した部材配置設計により亀裂進展を停止することが可能となった研究について発表した。
 この研究を含む業績で中島さんと他の方と共に経済産業省の「ものづくり日本大賞」で優秀賞を受賞されたことも紹介された。


●長崎総合科学大学 第3回公開講演会

「ものづくり」の現状と未来
-日本の未来をつくる新人博士たち-

◇基調講演
 「地域振興を支える科学技術」
   長崎県科学技術振興局長  中村 修 氏

◇特別講演
 「「ものづくり」が日本を支える!」
   株式会社アポロン 代表取締役 彌永 真 氏

◇研究発表  
 1.「蒸気タービン翼列における二次流れ発生機構とその制御」
   大学院工学研究科博士課程 堤 雅徳
   (三菱重工業㈱技術本部長崎研究所勤務)

 2.「圧鋼板の微視組織制御による疲労き裂進展抑制」
   大学院工学研究科博士課程 中島 清隆
   (新日本製鉄㈱技術開発本部大分技術研究部勤務)

 3.「亀裂制御による船体構造信頼性向上」
   大学院工学研究科博士課程 廣田 一博
   (三菱重工業㈱船舶海洋技術部勤務)


○工学部機械工学科
http://www.mech.nias.ac.jp/mechtop.htm

講演会の様子①

講演会の様子①

中村氏の基調講演

中村氏の基調講演

彌永氏の特別講演

彌永氏の特別講演

左から堤さん、中島さん、廣田さん

左から堤さん、中島さん、廣田さん

講演会の様子②

講演会の様子②