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農林水産省の委託研究で開発された「農林バイオマス3号機」が実用化へ向かう

 このほど、坂井正康新技術創成研究所特任教授と農林水産省の委託研究として農研機構と共同開発した『農林バイオマス3号機』が、平成21年度に農林水産省が実施する「地域資源利用型産業創出緊急対策事業」で実用機として推進されることになった。
 案件は公募中で、「農林バイオマス3号機等の新技術」が条件となっており、「農林バイオマス3号機の技術」は農林水産省が推進する国の代表的技術と位置付けられた。
 政権交代により補正予算凍結・見直しが進まれたが、本事業については計画どおり行われることになった。

 『農林バイオマス3号機』は世界最高クラスの電力変換効率を持つ設備で、離島などの条件不利地域に設置することにより、農産物の非食用部分、間伐材などを燃料源として、高効率ガス発電が可能になる。
 この技術の最大の特長はバイオマスをガス燃料に転換する新しい浮遊外熱式ガス化法にあり、生成されるガス燃料はこれまでに見られない高品位で、化学合成原料とすることもできる。 つまり、非食料の草木バイオマスを原料にして液体燃料(メタノール、エタノール等)を化学合成によって製造できる。

 現在は、電力と液体燃料(メタノール)合成併用プラントとして250kWクラス実用機計画を進めている。平成22年度中には実用プラントがお目見えする予定である。
 地域の電力・液体燃料を供給することができ、エネルギーの地産地消を可能にする『農林バイオマス3号機』技術が実用期に入る。
 また、「バイオマス活用推進基本法」や「農林漁業有機物資源のバイオ燃料の原材料としての利用の促進に関する法律」なども整備化され、今後バイオマスがますます利活用され、『農林バイオマス3号機』技術の動向が注目される。


○農林水産省/農山漁村地域資源有効活用推進事業の公募開始について
http://www.maff.go.jp/j/press/kanbo/bio/090807.html

開発した坂井正康特任教授

開発した坂井正康特任教授

農林バイオマス3号機

農林バイオマス3号機

ガスエンジンにより発電することが可能

ガスエンジンにより発電することが可能