NiAS 長崎総合科学大学 公開講演会「22世紀の科学技術」
「かがやくAIテクノロジー」
~NVIDIAとソニーの挑戦~
主催:長崎総合科学大学
公開講演会
11月20日(木)、出島メッセ長崎において、本学が毎年実施している公開講演会「21世紀の科学技術」を、「22世紀の科学技術」へと刷新して開催いたしました。本講演会ではこれまでも、世界の科学技術を長崎の高校生から一般市民、シニア世代まで幅広く紹介しており、大学による地域貢献の一環として、近隣地域の賑わい創出を共に考える場となっています。
今年度は、「かがやくAIテクノロジー 〜NVIDIAとソニーの挑戦〜」をテーマに、デジタルテクノロジーの世界的動向と未来についてご講演いただきました。最新テクノロジーが拓く新しい社会像や長崎の未来について、参加者とともに考える機会となりました。
公開講演会には、一般、企業、高校生、大学生など計550名が参加し、第一線で活躍する講師の貴重なお話に真剣に聞き入っていました。
開催案内
- 日時:11月20日(木)13:20~16:40(開場:13:00)
- 会場:出島メッセ長崎(長崎市尾上町4-1)
- 参加費:無料
開会挨拶
長崎総合科学大学
理事長・学長 黒川 不二雄
皆さま、本日はお忙しい中、長崎総合科学大学公開講演会「22世紀の科学技術」にご参加いただき、誠にありがとうございます。 昨年までは「21世紀の科学技術」でございましたが、すでに21世紀を迎えておりますので、今年度より、「22世紀の科学技術」とさせていただきました。主催者を代表し、心より御礼申し上げます。また、御来賓として長崎県副知事の馬場裕子様にご臨席賜り、厚く御礼申し上げます。
本日のテーマは「かがやくAIテクノロジー ~NVIDIAとソニーの挑戦~」です。AIは今や、私たちの生活や産業のあらゆる場面で革新をもたらし、映像、エンターテインメント、社会基盤に至るまで、その影響は計り知れません。このように、我が国においてAIや半導体は極めて重要な産業分野です。本日の基調講演として、文部科学省研究開発局環境エネルギー課半導体エレクトロニクス推進室 室長 澄川雄様より、「政府における半導体関係の取組」についてご講演いただきます。 続けて、NVIDIA Japan エンタープライズマーケティング本部 本部長 堀内朗様、ソニーセミコンダクタマニュファクチャリング株式会社社長室 技監 中枌晃弘様にご登壇いただきます。両社は世界をリードする企業として、AIとデジタルテクノロジーの最前線で挑戦を続けています。 NVIDIAはGPU技術を核に、AIの計算能力を飛躍的に高め、生成AIや自動運転など未来社会の基盤を築いています。一方、ソニーセミコンダクタマニュファクチャリングは、イメージセンサー技術を中心に、映像・センシング分野でAIを活用した新しい価値を創造し続けています。 本講演では、こうした企業の取り組みを通じて、グローバルな視点から業界の潮流を捉え、これからの社会を形作る最先端技術の可能性に触れることができます。これは、皆さまにとって未来を考えるうえで非常に貴重な機会になると確信しております。 私ども長崎総合科学大学は、地域に根ざしながら世界とつながる研究・技術開発、および教育を推進し、急速に進化するテクノロジーを単なる知識として学ぶだけでなく、社会に活かし、新しい価値を生み出す人材を育成することを使命としています。
ここで、本学における新たな取組についてご紹介したいと思います。 本学は「ひとつ先の風景」という言葉を掲げ、教育・研究に邁進しております。この言葉には、周囲の風景がどのように変わっていくのか、将来にどのような可能性が広がるのか、そして自分には何ができるのか――学生の皆さんにこうした視点で未来を捉えてほしいという思いが込められております。
さて、本学のルーツは川南高等造船学校で、造船技術者の育成を目的に開校されました。その後、長崎造船大学への改称を経て、現在の長崎総合科学大学へと発展してまいりました。こうした歴史を踏まえ、造船をはじめとする本学のルーツを大切にしつつ、脱炭素技術を軸とした先端分野への挑戦も積極的に進めております。近年、造船分野は再び注目を集め、業界再興の動きも強まっています。本学としても、その潮流を踏まえながら次のステージへ進んでまいります。
次に、本学の連携の取組について触れたいと思います。本学は地域・高校・企業・県・市と連携した社会貢献に力を入れております。その一環として「グリーン・デジタル産業分野教育協議会」を立ち上げ、企業と共に教育プログラムを構築し、実践的な学生教育を進めています。協議会には34社が賛同してくださっており、本日ご講演いただくソニーセミコンダクタマニュファクチャリング様にはすでにご参加いただいています。そして今後はNVIDIA様にもご参加いただく予定であり、産学連携の輪はさらに広がりを見せています。 さらに、高校との連携にも力を入れており、SSH校やDXハイスクールを中心に、県内高校と協力して次世代を担う人材育成を進めています。 このように、企業と大学が協力して学生を育成し、企業間同士も大学を交えて研究開発に取り組む――こうした新しい大学像が長崎で形になりつつあり、大変心強く感じております。 また、本学では「冠講座」も設置し、企業の方から90分の講義を行っていただく仕組みを整えています。これにより、企業で働くために必要な学びや、将来のキャリアを描くための具体的な視点を学生が得られるようになっています。
さて、社会に目を向けると、人口減少や温暖化、AI活用によるデータセンター電力増大など、様々な課題が山積しています。こうした課題が最先端技術やデジタル技術によってどこまで解決できるのか、あるいはAIそのものが新しい解決策を生み出すのか――未来は、まさに皆さんの発想と行動にかかっています。一方で、データセンター電力の確保には、太陽光や風力といったグリーン電力の活用がますます求められています。本学のエネハウスでは、太陽電池を利用した自然エネルギーによる運用研究を進めており、AI活用とエネルギー需要の急増という社会課題の解決に貢献したいと考えております。
そして、再来年には工学部と総合情報学部の強みを融合した新学部を開設する予定です。従来の「機械」「電気」といった分野区分を越え、課題を自ら設定し、AIを含む幅広い情報技術を駆使して解決できる人材、さらに経営感覚を備えた人材の育成を目指します。 教育の中心テーマは「グリーン×デジタル」です。造船のルーツを活かした船舶関連分野にも50名規模で学生を迎え入れ、文系・理系の垣根を越えた170名規模の新時代の学びのスタンダードを築いてまいります。なお、パンフレットのキャッチフレーズもAIを活用しながら作成いたしました。 この新学部を起点として、長崎の地から課題解決を担う人材を育成し、輩出していきたいと考えております。そのためにも、企業の皆様、国・県・市の皆様のお力添えを引き続きお願い申し上げます。
最後になりましたが、本講演の準備にご尽力いただいた関係者の皆様、そしてご参加いただいた皆様に心より感謝申し上げます。 本日の講演会が、皆様の知的好奇心を刺激し、新たな発想や挑戦への一歩となれば幸いです。 それでは、未来を切り拓くAIテクノロジーの世界を存分にお楽しみください。
主催・後援
主催
長崎総合科学大学
後援
長崎県、長崎市、長崎商工会議所、一般社団法人長崎県情報産業協会、ながさき半導体ネットワーク、IEEE PELS Fukuoka Chapter、
九州西部地域大学・短期大学連合産学官関連プラットフォーム(QSP)
メディア
お問い合わせ
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メール:nfp@nias.ac.jp
