数理・データサイエンス・
AI教育プログラム
応用基礎レベル【総合情報学部】

長崎総合科学大学は、2学部2学科8コースによるコース横断型のカリキュラムを令和2年度から配置し、総合情報学部を中心に数理・データサイエンス・AI分野の学修環境を拡げてきました。
令和4年度からは数理・データサイエンス教育強化拠点コンソーシアムにおいて策定されたモデルカリキュラムと教育方法に準拠した「データサイエンス入門」を卒業要件として総合情報学部必修科目に組み入れ開講しています。
総合情報学部は開設当初からデータサイエンスの要素を含む科目を多数開講しているため、卒業時には「AI・データサイエンス応用基礎教育プログラム」の知識と技能が修得可能です。
この教育プログラムは、文部科学省「数理・データサイエンス・AI教育プログラム認定制度」の、「数理データサイエンス・AI教育プログラム 応用基礎レベル」に認定されており、数理・データサイエンス・AIに関する実践的な能力の向上を図るものです。

プログラムの名称

AI・データサイエンス応用基礎教育プログラム

長崎総合科学大学の認定制度申請内容

(認定期限:令和10年3月31日)

取り組み概要

デジタライゼーションが進展する今後の社会の中で生き抜く力を身につける教育プログラムです。

学習達成目標

AI・データサイエンス応用基礎教育プログラムは、以下の科目群によって次のような学修成果を目標としています。

  1. デジタル社会におけるデータやAIの利活用についての興味・関心を持ち、基礎から応用までの幅広い能力を主体的に身に付ける。
  2. データの読み方・見せ方・扱い方についての理解を深め、それらを活用できる能力を獲得する。
  3. 社会的状況や課題を知り、データやAIを利活用する上での心構えや留意すべき事柄に対しての洞察力を身に付ける。

修了要件

年次前期後期
1年次◎ 情報基礎(2単位)
◎ データサイエンス入門(2単位)
〇 データ構造とアルゴリズム(2単位)
◎ 統計概論(2単位)
〇 プログラミング基礎Ⅰ(C言語)(2単位)
2年次◎ 人工知能基礎(2単位)◎ データベース基礎(2単位)
3年次◎ 人工知能応用(2単位)
  • ◎は必修科目
  • 〇は選択科目

必修科目を含む、合計14単位以上を修得すること。

科目の講義概要

 ◎ 情報基礎  

現代社会において必要な教養には、数十年前の教養にはなかった情報化社会に参加するために必要な情報リテラシーが含まれる。インターネットというインフラを基盤とするICT(Information and Communication Technology)は、利用者に多大な恩恵を与えるとともに大きな危険も孕んでいる。その危険を知り対応しつつ、安全安心に恩恵を享受するために必要な、基本的な作法、知恵、技術を身につけるようにする。
一般的な情報化社会における利用の他に、大学における学修では様々な場面で情報基盤環境を利用していくことになる。そのために大学が提供している環境についてしっかりと学んだ上で、利用方法だけでなく、利用時に注意しなければならないことも学ぶ。

 ◎ データサイエンス入門  

近年、課題発見や意思決定において、データの位置づけ大きく変わり、データサイエンスという用語をよく聞くようになった。一方で、データ処理に利用する統計学への認識レベルの低さから、集めたデータも有効に活用できず、中には全く逆の主張に利用されることもあった。これらは、データ活用に対する心構えや処理技術の未熟さに起因するところが大きい。そこで、この授業では、データサイエンスとはどういう学問で、それを活用する際の心構えを学び、どのような応用があり、そのための基本的な処理技術への知見を獲得することを目的とする。なお、本授業では、数式の利用は最低限にとどめ、その考え方や解釈に重点を置く。
近年、本学学生が取組む卒業研究においては、実験データの分析やAI活用などのシーンが多くなっていると思われる。そのような現場ではデータの取り扱いやAI活用の基礎知識や活用に向けた心構えは非常に重要になる。それらを扱うのがこの科目である。

 ◎ 統計概論  

統計学の学習の目的は、データにもとづく統計的なものの考え方や基本的な統計手法を学習することである。近年のビッグデータに代表されるように、このようなデータに基づく検証とそれに至る統計的処理技法は現代社会において必須とされるものである。
本科目はこのような考え方に沿って、統計データの整理や解釈、データ分布の数学的表現から出発し、確率の考え方とその数学的表現、統計データを用いた推定、検定、回帰分析や最尤推定法などについて学ぶ。

 ◎ データベース基礎  

多くの情報が溢れている情報化社会において、情報の特性に応じた整理やその特性による検索など、大量の情報を活用する技術が重要になる。その技術こそがデータベースである。ここでは、データベース技術の基礎、特にデータベース管理システム(DBMS)の考え方や基本的な役割を学ぶ。また、データベースの中でもリレーショナルデータベースに着目して、実際の情報からのデータベースの設計とその操作を、具体例を用いて学ぶ。データベースの操作においては、簡易ソフトを利用する。

 ◎ 人工知能基礎  

本講義では、人工知能の歴史、人工知能を学ぶための基礎、探索・プランニング、知識表現と推論、機械学習・ニューラルネットワーク、進化的計算、自然言語処理など人工知能の基礎的な知識を学ぶ。

 ◎ 人工知能応用  

本講義では、人工知能基礎で学んだ初歩的知識を前提として機械学習の実践的なアプローチを学ぶ。まず、AIシステム開発プロセス、教師あり学習、教師なし学習と前処理、モデルの評価と改良等について実際にプログラムを動かしながら基礎を習得する。さらにディープラーニングを用いた画像認識、予測問題、自然言語処理等に関する実装技術を学ぶ。

 〇 データ構造とアルゴリズム  

この授業は、問題解決能力向上への最初のステップになる。問題解決には順序立てた考え方が重要だが、その考え方を学ぶ事が出来るのがアルゴリズムである。本来アルゴリズムは、コンピュータプログラムとは関係ないが、アルゴリズム学習の題材として、コンピュータでも扱える問題を考える。また、アルゴリズムの表現にはフローチャートと呼ばれる直観的な図式を用いるので、プログラミング言語を学んでいなくてもよい。
また、アルゴリズムを考える時、データの扱い方が重要になる。データの扱い方によっては、アルゴリズムが難しくなったり簡単になったりもする。データの扱い方はデータ構造と呼ばれる。本授業では、アルゴリズムとデータ構造について、演習も交えて学習する。

 〇 プログラミング基礎Ⅰ(c言語)  

本講義は、前期の講義でコンピュータやキー ボードに慣れた学生を対象に、演習も取り入れながらプログラミング言語の基本的な文法事項を理解させることを目的とする。目標は特定のプログラミング言語 の習得ではなく、プログラミングに必要な基礎的概念とアルゴリズムの構築力を習得すること、コンピュータには何ができて何ができないのかを理解することで ある。前半の演習は例題を中心に行い、プログラミング・スタイルを修得していく。後半では応用問題に対するプログラミング技法について学習する。

  • ◎は必修科目  〇は選択科目

内部評価

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