総合情報学部 総合情報学科

NiAS Undergraduate Department

03

生命環境工学コース

Life Environment Engineering Course

多様な情報の収集・分析・活用を行い
地球環境の諸問題解決に寄与できる技術者を育てる。

Life Environment Engineering Course Life Environment Engineering Course Life Environment Engineering Course

courseコース概要

生命環境工学コースは、物理的現象と化学的性質、生命現象、生物資源の活用、社会におけるエネルギーマネジメントについて基本的な知識を理解し、情報通信技術を活用して、環境の計測や管理ができる人材を育成します。そのために、本コースは次のような学生を求めます。

求める人物像

  • 理系科目が好きで、環境問題に興味がある人
  • 生物の能力やエネルギーを有効活用できる社会を作りたい人
  • これからの社会を自分の力で変えていく熱意がある人

学びのキーワード

  • 環境問題
  • 環境保全
  • ビオトープ
  • 生態学
  • フィールドワーク
  • 循環型社会
  • 再生可能エネルギー
  • 農業
  • 環境教育
  • エコ
  • 資源
  • 絶滅危惧種
  • 植物工場
  • 食品衛生管理者
  • 食品衛生監視員
  • 省エネルギーマネジメント
  • ESD
  • SDGs

将来像

  • バイオマスエネルギー関連に関わりたい
  • 持続可能な社会づくりに関わりたい
  • 環境問題解決に取り組みたい
  • 生物に関心がある
  • 食品衛生に関わる仕事がしたい
  • バイオマス資源を活用したい

陸と海をつなぐ
循環型の環境技術

生命環境工学コースでは、環境を取り巻くエネルギーに視点を置いて、生物学・化学・物理学といった学問が多方面からアプローチすることで、様々な研究が行われています。現在、コース全体で取り組んでいる研究が、「バイオマス内の有効資源を活用した海岸海域生態系の保全に関する基礎的研究」。この研究は、陸上に擬似的な海洋環境をつくり、下水汚泥から出た肥料成分を用いて、藻類の再生を目指すもの。「具体的には、研究室の大型水槽で、海藻を培養してそのベストな条件を探り、同時に藻類減少の原因にもなる魚を飼育して生態を研究しています。そうすることで大学の前に広がる橘湾の藻場再生にチャレンジしているんです」と研究スタッフは熱く語ります。研究の成果としては、下水汚泥を処理した後に廃棄している有機性資源と処理水を活用することにより、陸と海の再生が進み、汚泥の有効活用が可能になることが挙げられます。また、海洋と環境を結びつけた新しい研究分野が広がることで、地域環境の向上につながることも期待されています。

教育プログラム

本学の2学部2学科8コースによる教育は、ひとつの専門だけでなく、関連する分野まで幅広い知識を身につけた人材の育成を目指すためのもので、本学の特徴の一つです。これを、より効果的に生かし、内容を充実したものとするため、コース横断型の「教育プログラム」を導入しています。

4years4年間の学び

環境情報の収集・分析と活用できる技術者の育成

  • 1年次入門的内容を学ぶ

    「総合情報学概論」ではコースの枠にとらわれない総合情報学科の分野を幅広く学び、「生命環境工学概論」ではコースの各専門分野について学習します。また、コース専門分野の基礎として、「化学概論」、「生物学概論」、「地学概論」、「物理学概論」の講義を用意しています。特に「化学概論」は、食品衛生管理者・食品衛生監視員の資格取得を目指す場合には単位修得が必要です。

  • 2年次基礎となる力学や原論を学習

    生態系の保全とビオトープ

    省エネルギー、環境分析、生態学、食品・バイオの各分野に進むための必須科目を学習します。「生態系調査法」の授業では、フィールドワーク技術を修得し、パソコンでまとめてプレゼンテーションを行います。

  • 3年次本格的な専門科目がスタート

    栄養化学

    選択分野について実験・実践を通して知識や能力をさらに高めていきます。「省エネルギー工学Ⅰ、Ⅱ」の授業は、ビル設備を対象とした実践的省エネルギー診断を学びます。「バイオテクノロジー実習」の授業では、遺伝子工学における基礎的な知識および技術を学びます。

  • 4年次これまでの学びを活かして

    これまでの学びを活かして、各研究室で卒業研究に取り組みます。

カリキュラムを見る

Current student在学生メッセージ

こんな授業は初めて!
楽しくやりがいがありました。

生命環境工学コース 3年(2023年12月取材時)

宮嶋 泰平

夢未来高等学院佐世保校(長崎県)出身

生物の調査や観察を行い、生物への理解を深めるための科目です。また、対象となる生物の調査・研究法などの知識や技術を学ぶこともできます。授業では、実験室で数種類のカエルの種類を見分ける作業を行い、正解したカエルのスケッチに取り組んだほか、ペンギン水族館でペンギンを1時間かけて観察し、その行動を記録したこともありました。自由研究では、「アマガエルの繁殖行動の位置関係」をテーマに設定し、諫早・雲仙に調査へ出かけました。その調査結果をまとめて、学生へのプレゼンテーションも行いましたが、こんなタイプの授業は初めてで、とてもやりがいのある楽しい授業でした。

Graduate卒業生メッセージ

水質等の分析を通じて
地元・長崎の
環境保全に貢献を。

株式会社環境衛生科学研究所
技術部1課所属

中村 菜央

2020年3月卒業 長崎県立佐世保南高等学校(長崎県)出身

 株式会社環境衛生科学研究所は、科学力を基盤に様々な環境の調査・分析を行う会社。中村さんはその分析者として今、水道法20条に基づく水道水質検査、ビル管理法に基づく水質検査、貯水槽清掃後の水質検査、河川や海水などの環境水や工場から出る排水などの分析に携わっている。「土壌や廃棄物に含まれる有害物質の分析も行います」と業務は広範だ。
 文系出身だった中村さんは、長崎で環境に関わる仕事をしたいという強い意志をもとに生命環境工学コースを選んだという。不安もあったようだが、積極的に先生に質問したり、学習支援センターを活用したりして勉学に励んだ。4年間で指定科目の単位を修得し、食品衛生管理者と食品衛生監視員の資格を取得。志望分野への就職を実現するなど、着実に目標を達成していった。そんな努力家の中村さんが業務に役立てているのは、環境化学実験の知識。ガラス器具の使用方法や濃度計算など基本的知識に加え、CODMn法による河川水中の化学的酸素要求量の測定や細菌検査などで得た多様な知識を活用しているようだ。やりがいを感じるのは、「アドバイスをもらいながらも、自分自身で分析装置のトラブルに対応し解決できたとき」。さらには、「多くの検体が搬入された際に納期等を踏まえて仕事の予定を立て、計画通りに分析が進んだときは達成感があります」と言葉を続ける。
 中村さんは、入社後に環境測定分析士3級の資格を取得。次は、「環境計量士の資格を取得したい」と前向きだ。「働きながらの勉強は大変ですが」と言う中村さんだが、これからも多くの目標や夢にトライしながら分析者として成長を続け、長崎の環境保全に貢献していく。

career資格と主な就職先

目指せる資格

  • 食品衛生管理者・食品衛生監視員
  • 中学校教諭一種免許状(理科)
  • 高等学校教諭一種免許状(理科)
  • 環境計量士
  • エネルギー管理士
  • 甲種危険物取扱者
  • 公害防止管理者
  • ビオトープ管理士

取得のための支援など

本コースでは環境に関連する各分野の資格が取得できます。授業を通して資格取得のための知識を修得できるだけでなく、同じ資格を目指す学生同士が自主的に勉強会を開くためのサポートを行っています。食品衛生やエネルギー管理士の資格取得のために、医療工学コースや機械工学コース、電気電子工学コース、建築学コースなどの工学部の専門科目も受けられるのが本学の強みです。

主な就職先(過去3年間)

就職内定率

2024年3月卒業生

100%

  • アドバンテック(株)
  • (株)太平環境科学センター
  • 新日本空調(株)
  • (株)ウエスコ
  • 日本ステリ(株)
  • 月島環境エンジニアリング(株)
  • 協和機工(株)
  • 島原雲仙農業協同組合
  • JAながさき県央
  • 日本電技(株)
  • 高砂熱学工業(株)
  • (株)前川製作所
  • ヤシマ工業(株)
  • 長崎西彼農業協同組合
  • ウッドエナジー協同組合
  • (株)琴花園
  • 長崎三共有機(株)
  • (有)シンコー
  • 長崎船舶装備(株)
  • アイ・ケイ・ケイ(株)
  • (株)メモリード
  • 長崎県市町村職員共済組合
  • 教員

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