基礎から応用までの
実践的な学びによって
あらゆる分野と
結びついた電気電子工学のプロを育成
電気電子工学の
プロを育てる
本コースでは電気工学・電子工学の基礎から応用までの一貫した学びで、時代のニーズに応えるスペシャリストの育成を行っています。
カリキュラムは、大電力を扱う電気工学、通信・エレクトロニクス分野を扱う電子工学、そしてそれらの土台となる基礎を学ぶ科目で構成。再生可能エネルギーが注目を集める今、発電所からの大電力を扱う電気工学は再び注目を集めると同時に、電子工学によってIT技術と結びつき、これまでにない技術分野を切り開き、世界を大きく変える可能性のある技術として成長してきています。
また、スイスとフランスの国境地帯にある世界最大規模の素粒子物理学の研究所であるCERN(欧州原子核研究機構)で、宇宙の初期状態を再現する高エネルギー実験の国際共同研究に参加しています。
未来を創造する。
専攻コースを越えた
教育プログラム
IoTシステムプログラム
ネットの世界と現実の世界を繋ぐIoT技術は、今後私たちの暮らしを支えるシステムとして、これを自由に構築、創造できる技術者が必要となってきます。従来の電気電子工学技術だけでなく、インターネット技術・データ処理技術を同時に取得することができ、近未来社会で活躍できる優れた技術者を育成します。
あらゆる分野で必要となる
電気の世界を学ぶ
電気工学·電子工学は通信、機械、医用などあらゆる分野で必要不可欠な学問です。また現代社会を支える重要な技術の一つでもあります。とくに電気回路や電子回路は車やテレビなど、私たちの身近にあるものに多用され、その精度の向上が求められています。使う道具はパソコンと自分の手。回路の設計やシミュレーションはソフトウェアの向上により、実際に動かしたものとほぼ同等の結果を出せるまでになっています。しかし、やはり自分の手で実際に作ってみて、イメージした通りに動いてくれているか、繰り返し確かめることも大事な学びです。実用的なことはもちろんですが、その配線の美しさ、デザイン、そして新エネルギーの開発など、未来の日本において必要な電気の世界。何度も実験を繰り返しながら人の役に立つ新しい製品が作られていきます。机上だけではない実践的な学びでプロフェッショナルな人材を育てるコースです。
電気電子工学コース紹介
専任教員
指導した近年の
卒業研究テーマ例など
- 「水素発電プラントのシミュレーションモデルに関する研究」
- 「ビーコンを利用したアプリケーションの開発および電力強度の評価」
- 「FPGAを用いたベースラインフィルタの開発」
- 「人工知能(AI)チップの高効率化に関する研究」
- 「積分ゲイン可変方式ディジタル制御DC-DCコンバータに関する研究」
4年間の学び
あらゆる分野で必要となる
電気の世界を学びます。
1年次
電気電子工学を学ぶ上で重要な物理・数学の基礎からはじまり電気磁気学と回路解析手法を学びます。「工学フォーラム」の授業では、合宿研修会での工場見学や、教員による最先端の講義、OBとの座談会を通して大学への導入とします。
2年次
電気・電子回路の動作を数学的理論と組み合わせ学び、実際の装置等の知識と使用法を習得します。「電気電子基礎実験」では、実験の一般的知識について学びます。「電気機器」の授業では、電気エネルギーの発生、電気エネルギーを運び光や運動に変換し、最終的に制御して効率よく利用する技術を学びます。「デジタル回路設計」の授業では、電子機器の中心となり、複雑な情報処理を担う回路の設計を学びます。
3年次
情報通信、制御、電力応用技術等の専門領域を座学と同時に、実験によりデータ評価や分析方法等を習得します。「電気電子工学実験」では、発電機やモーター等の実験設備を使い、専門知識を深めるとともに、計測器の使い方や評価・分析方法を学びます。「アナログ回路Ⅱ」の授業では、机上で学んだ内容をコンピュータ・シミュレーションや実験装置を使って実践的な回路設計・解析技術として習得します。
4年次
これまでの学びを活かして、各研究室で卒業研究に取り組みます。成果は論文および口頭で発表します。
カリキュラム表
マッチングポイント
エンジニアとして研究・開発に関わりたい
電気関係や情報通信の仕事がしたい
新エネルギーの研究・開発で社会に貢献したい
生活を便利にするIoTの研究・開発に携わりたい
免許・資格をとって将来の職業に活かしたい
資格と支援
次の資格取得が
目指せます!
- 電気主任技術者(第一種~第三種)
- 第一級陸上無線技士
- 第一級陸上特殊無線技士
- 第二級海上特殊無線技士
- 電気工事士(第一種、第二種)
- IoTシステム技術検定
- 技術士
- 高等学校教諭一種免許状(工業)
資格取得のための支援など
電気電子工学コースで取得できる2種類の主な国家資格について紹介します。陸上・海上特殊無線技士は、指定された4つの講義を受講して単位を修得すると、免許状が与えられますので、多くの学生が卒業後すぐに申請しています。また、電気主任技術者では、必要な科目の単位を修得して卒業し、企業で1年以上の実務経験を経て、資格の申請を行います。また、資格を持っている教員が個別指導を行いますので、在学中に、国家試験を受験することで、卒業前に免許を取得することも可能です。
主な就職先
- イサハヤ電子(株)
- 内海造船(株)
- (株)NTTドコモ
- 大分キャノン(株)
- 九州電子(株)
- (株)九電工
- 協和機電工業(株)
- (株)きんでん
- 栗原工業(株)
- KJケミカルズ(株)
- 五洋建設(株)
- 佐世保重工業(株)
- 白月工業(株)
- 伸和コントロールズ(株)
- 住友電装(株)
- ソニーセミコンダクタマニュファクチャリング(株)
- 寺崎電気産業(株)
- 東芝三菱電機産業システム(株)
- 長崎市役所
- (株)中電工
- (株)名村造船所
- 日鉄テックスエンジ(株)
- 野里電気工業(株)
- (株)三社電機製作所
- 三菱電機ビルソリューションズ(株)
- 三菱電機プラントエンジニアリング(株)
- ロームアポロ(株)
インタビュー
在学生
研究や研究室について | |
「直流給電システムの電力変換に関する研究」に取り組んでいます。直流給電システムでは1500Vなどの高電圧電力を供給すると、通電損失の低減が可能です。しかし、負荷機器に低電圧で電力を供給するDC-DCコンバータには高耐圧半導体素子が必要です。このため1台あたりの入力電圧を低減し、低耐圧の半導体素子を使用可能なDC-DCコンバータの直並列接続を研究しています。 | 研究室では、太陽光や風力などのグリーンエネルギーを有効活用した、カーボンニュートラルを達成できる持続可能なエネルギーシステムを提案しており、その実現に必要な回路技術や制御技術を研究しています。グリーンエネルギーを各所に届けるための「電力変換器」の回路技術、高速ディジタル制御技術、エネルギーマネジメント技術の開発を目指しています。 |
お互いを紹介ください | |
知識が豊富で、話す内容も面白いので、授業にも引き込まれた覚えがあります。ただし研究の面では、妥協のない先生です。学部生のころから研究や学会発表の指導をしていただいていますが、私に足りない部分などを的確に教えてくださるので研究のモチベーションも上がり、楽しく研究ができました。先生を目標に、今後も努力を続けたいと思っています。 | 研究室のリーダーであり、研究室自体のマネジメントもしてくれています。後輩たちの面倒見もとてもいいです。コロナ禍でも意欲的に研究に取り組み、今も熱心に研究を続けています。2021年には、「学会発表賞」も受賞しました。修了後は、諫早の電力変換器メーカーへ就職しますが、ぜひ積極的な挑戦を続け、研究内容を発展させてほしいと思います。 |
今後の抱負やメッセージ | |
修了後は、トランジスタやダイオードなどの半導体素子からDC-DCコンバータなどカスタム電源の設計・製造を行っている諫早のメーカーへ就職が決まっています。私の研究自体を、この企業との共同研究の形で進めてきました。今後は、地球温暖化にも対応できる機器の設計・製造に携わりながら、地元・地域の発展にも貢献したいと思っています。 | 社会は今、カーボンニュートラルの取り組みやSDGsを意識した活動が活発化しています。私もそうした動きに貢献できる技術開発、たとえば「再生可能エネルギーのミックス技術」、あるいは「エネルギーの地産地消」などを、専門のパワーエレクトロニクス分野で進めていければと思っています。長崎におけるカーボンニュートラルにも、ぜひ寄与したいですね。 |
インタビュー
卒業生
松下 歩 大学院工学研究科修士課程 電子情報学専攻 2023年3月修了/
長崎県立鹿町工業高等学校出身
株式会社TMEIC パワーエレクトロニクスシステム事業部
UPS部 品質保証第一課 所属
松下さんは、高校で学んだ工業分野の専門知識を深めるため、地元・長崎県の長崎総合科学大学電気電子工学コースへ入学した。工学部で学んだ後に、大学院へと進学。研究室では「電力変換器の特性」について研究に専心し、修了後は、同じ研究室の先輩が働く、株式会社TMEICへ入社した。TMEICは「ものづくりを創るものづくり」を掲げ、 ものづくりを行う企業へ産業システム・パワーエレクトロニクス機器・回転機・エンジニアリング・サービスを提供している企業だ。研究室で得たパワーエレクトロニクスの知識を活かせる企業だったことが入社志望の理由だが、さらに「TMEICへ就職した研究室の先輩から聞いた、事業の基盤となる“高い技術力”に魅了され、自分もここで働きたいと思ったことが決め手になった」と話す。松下さんは現在、試験員として、不測の緊急事態による停電に備えるための無停電電源装置「UPS」の基板試験に携わっている。試験員としての業務経験は少ないと言いながら、パワーエレクトロニクスの基本知識や計測器の使用法などは、今後の業務で活用できるはずと断言する。また目標として、「指示されたことを実施するだけでなく、より良い試験法なども積極的に提案していきたい」と未来を見据える。さらに技術的な部分として、「この回路構成ならばどのようなデータが取得できるか」を予測したり、不具合が出た際には問題点を見つけ論理的に解決したりと、「考えながら試験に取り組む」ことを実行していきたいとも。松下さんは、多様なものづくりを支える企業の一員としての成長を目指しつつ、高品質なUPSの提供のために、今日も装置の試験に全力を傾ける。