NEWS

第3回地域連携研究会が開催される(6/25)

 「地域連携研究会」が6月25日(金)、グリーンヒルキャンパスで一般来場者、学生、教職員約60名の参加のもと開催された。
 この研究会は、本学のユニークで先進的な研究成果を広く理解していただくとともに、地域への貢献と発展を地域の方々と一緒になって考えていこうと、毎月開催されている。
 今回は医工連携をテーマに3件の発表があった。

 はじめに長崎県産業振興財団の小山純氏が、医師不足に悩む県内離島などの遠隔地の医療システムを構築する「都市エリア産学官連携促進事業」について概要を説明。研究開発が進む4つの事業「肺音検査システムの開発」「光学的非侵襲型血糖値計の開発」「排尿管理システムの開発」「予防・在宅医療システムの開発と検証」について解説。これらのテーマの中から新たに開発した検診機器の開発過程や研究成果、医療現場でのフィールドワークなどの実例を詳細に説明した。
 医療機器の実用化は認定に至るまで非常に厳正な審査があることに触れ、長期的に構えることが必要なことを紹介。最後に長崎方式と呼ばれる新しく生まれる予防・在宅医療・介護支援システムの協力の要請と実現に向けての意欲を現した。

 川添薫准教授は、臨床工学技士の必要性について、人材が不足する医療現場の現状を国内の臨床工学技士養成の背景と業務内容を含め説明した。
 自ら開発した医療処置具のうち、医療機関で使用されている胃カメラなど内視鏡の汚染物質(患者の血液・粘液等)を除去する洗浄装置や、内視鏡治療で使われる凝血塊を除去する装置、経鼻内視鏡検査時の前処置拡張バルーン装置について、その開発内容を説明。これらの装置は実用化され国内外の医療機関で使用されている。

 清山浩司講師は、電子回路(トランジスタ)の歴史を振り返り、真空管やトランジスタ、集積回路と、近年のトランジスタ微細化技術の現状を説明した。
 続いて現在研究を進めている「人工視覚システムの研究開発」について紹介。
 これは、失明した患者にもう一度光を取り戻そうとする取り組みで、人口網膜LSIを眼球内に埋め込み神経節細胞を電気刺激することにより脳で視覚を再生させるもの。東北大学と共同で開発を進めており動物実験でも実証している。今後に向け更なるLSIの開発に意欲を表した。


【第3回地域連携研究会】

●研究発表
1.「【長崎方式】予防・在宅医療/介護支援システムの実現を目指して」 
 長崎県産業振興財団  小山 純 氏  

2.「医療処置具の開発について」
 工学部 電気電子工学科  川添 薫  准教授

3.「長総大における医用マイクロ・ナノシステム開発への取り組み」
 工学部 電気電子工学科  清山 浩司  講師


○地域連携研究会
/eco_town/

会場の様子①

会場の様子①

小山氏の研究発表

小山氏の研究発表

川添准教授の研究発表

川添准教授の研究発表

清山講師の研究発表

清山講師の研究発表

会場の様子②

会場の様子②