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長崎総合科学大学第4回公開講演会『電子技術が医療の未来を開く』を開催(10/23)

 長崎総合科学大学第5回公開講演会『電子技術が医療の未来を開く』が10月23日(土)、出島交流会館にて、一般来場者、学生、教職員を含め約60名の参加で開催された。

 基調講演を、東北大学大学院医工学研究科教授 田中徹氏が、「マイクロチップインザボディ ~生体と電子技術の融合~」と題し、生体とエレクトロニクスを融合させた最先端の医療技術をテーマに講演した。
 はじめに現在治療が行われている、医療器具の人体埋込み事例を、人工内耳装置や脳深部刺激療法について説明。症状を司る部位を電気刺激することにより歴然と平静に回復する様子のビデオを用いて解説した。特にこの脳深部刺激療法はパーキンソン病の治療に用いられマイクロチップインザボディの大きな成功例とみなされていることが明かされた。
 更に、脳神経信号を直接利用する研究について触れ、脳波を感知し体外で解析することにより、手を動かすようにロボットアームを操作する動物実験を海外の大学で進行している事例や、体内埋込みIDタグの一般生活への可能性について、革新的な先端医療の紹介がなされた。最後にマイクロチップインザボディは人を幸せにする技術として研究を進めるべく今後への意欲を示した。

 続いて本学の清山浩司講師は、電子回路(トランジスタ)の歴史と概要、近年の医療機器進展の現状について説明。
 現在東北大学と共同で開発を進めている「人工視覚システムの研究開発」について紹介した。これは失明した患者にもう一度光を取り戻そうとする取り組みで、光を感じる網膜の変わりに、人工網膜LSIを眼球内に埋め込み神経節細胞を電気刺激することにより、脳で視覚を再生させることが可能と解説。動物実験で実証していることが明かされた。
 清山講師は、細胞は電気的に動いていると解説、今後に向け更なるLSIの開発計画に触れ、エレクトロニクスと医学の応用研究について発表した。

 講演後の質疑応答では、体内埋め込みに対する日本と欧米の倫理観の違いや、人工視覚システムをロボットへ応用することについて意見交換が行われ、その可能性を探った。



●長崎総合科学大学 第4回公開講演会

『電子技術が医療の未来を開く』

◇基調講演
 「マイクロチップ イン ザ ボディ ~生体と電子技術の融合~」
 講師:東北大学大学院医工学研究科 教授
   田中 徹 氏

◇報告
 「長総大における医用システム開発への取り組み」
 講師:長崎総合科学大学工学部電気電子工学科 講師
   清山 浩司



◇公開講演会
http://nias.jp/public/

◇工学部電気電子工学科
http://www.elc.nias.ac.jp/

◇東北大学大学院医工学研究科
http://www.bme.tohoku.ac.jp/

講演する田中氏

講演する田中氏

講演会の様子

講演会の様子

研究発表する清山講師

研究発表する清山講師

会場の様子

会場の様子

質疑応答の様子

質疑応答の様子