NEDOエネルギーセミナーin長崎『東長崎エコタウン構想 ~環境エネルギーによる街づくりを目指して~』(主催:本学新技術創成研究所、長崎県、長崎市、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)が2月19日(土)、グリーンヒルキャンパスにおいて、地域住民や企業・自治体関係者、学生・教職員を含め約150名の参加で開催された。
開会に先立ち、貴島勝郎学長が、東長崎エコタウン構想(※1)の概要を紹介し、この構想が未来型の新しいモデルケースとして全国へそして世界へ発信していきたい、と開会の挨拶を述べた。
続いて長崎県の上村昌博産業労働部長と長崎市の川口晴寛商工部長が主催者挨拶を述べた。
基調講演を「NEDOのスマートコミュニティ実現に向けた取り組み」と題し、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構の渡辺慶一氏が、低炭素社会の基盤となるスマートグリッド(※2)において、普及が見込まれ現在も大きく成長している太陽光発電の現状を紹介した。
スマートコミュニティ(※3)の必要性とその方向性に触れ、海外(アメリカ・フランス他)と国内(横浜市・豊田市他)で整備が進んでいる導入事例を紹介し、各プロジェクトの概要や予算規模、電力系統を詳細に説明した。
最後に、将来的に再生エネルギーの大量導入が予測されると示し、スマートコミュニティ構築には、業種横断的な連携協力と官民が一体となって取り組むことが重要と提言した。
続いて東長崎エコタウン構想に関連する事例発表が5件用意され「バイオマス」「メタン発酵」「太陽光と電気自動車」「リチウムイオン電池」「スマートハウス」について発表があった。
坂井正康客員教授はバイオマスエネルギーについて解説し、長崎市内に本年稼動する新型プラントがガス発電とメタノール合成を両方行うという先進的な取り組みについて発表、順調に稼動すれば国内初となる事例が紹介された。
石橋康弘教授は、下水処理場の下水汚泥を分解しメタンガスを抽出するという仕組みを解説し、これまで大分・別府温泉で発見した微生物を研究してきたが、同じような性質を持つ微生物を長崎・雲仙温泉から発見し、実験でも効果が認められたことを発表、純長崎県内産のメタン発酵システム構築に意欲を見せた。
吉田博久氏は太陽光発電とリチウム電池を利用した次世代充電システムについて、電気自動車への応用を説明、コストが高いことを課題に挙げた。
山邊時雄教授は、電気自動車に用いられるリチウムイオン電池の構成および高容量化に向けた開発の最前線を説明、太陽光や風力発電への将来的な活用と応用について解説した。
中村良道氏は、太陽光・風力で発電されたエネルギーを制御管理できる住宅の定義や概要を解説し、個々の小さな家庭での段階でCO2発生を抑制しエネルギーを循環させる仕組みが大切と方針を示した。
総合討論では、「東長崎エコタウン構想:スマートコミュニティづくりとは?」をテーマに、企業のCO2排出削減の取り組みや県内のエコに関する先進的な事例が紹介され討議が進んだ。東長崎地区には造園業が多く剪定後の木類をバイオマスの原料として利活用することに期待する意見や、エコタウン構想の対価として現在高めの公共交通運賃を割引適用する提案、生ゴミをバイオマス処理とは別に堆肥や飼料化させる提案などが出された。
目指す方向として、住民の意識を共有し個々が自立しながら連携し、地域の特性を活かした安全安心な街として、自治体や企業も相互連携し、環境負荷の少ない街づくりへの議論が行われた。
■NEDOエネルギーセミナーin長崎
『東長崎エコタウン構想 ~環境エネルギーによる街づくりを目指して~』
式次第(演題、講演者)pdf
http://www.nias.jp/event/110219-5.pdf
※1--- “東長崎エコタウン構想”とは、本学が立地する東長崎地区に低炭素化社会に向けた未来型エコタウンをつくる構想で、下水処理施設のメタンガス発電やバイオマスガス発電施設を設置し、スマートグリッド技術により地域の電力消費量を最小限に抑え、CO2発生を減らしながらエネルギーの地産地消を図り循環型社会の構築を目指すもの。
※2--- “スマートグリッド”とは、発電された電力を情報通信ネットワークで利用し、電力供給に付加価値を付けた次世代電力送電網のことで、分散型電源や双方向通信などを可能とした高効率で高品質、高信頼度の電力供給システムのこと。
※3---“スマートコミュニティ”とは、スマートグリッドや住宅・企業の太陽光発電、風力発電、電気自動車のインフラ整備、などの省エネルギー社会を目指すシステムを備えた地域のこと。
□新技術創成研究所
http://www.nias.jp/center/ri4/
□独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構
http://www.nedo.go.jp/
□長崎県
http://www.pref.nagasaki.jp/
□長崎市
http://www1.city.nagasaki.nagasaki.jp/n_city/
開会に先立ち、貴島勝郎学長が、東長崎エコタウン構想(※1)の概要を紹介し、この構想が未来型の新しいモデルケースとして全国へそして世界へ発信していきたい、と開会の挨拶を述べた。
続いて長崎県の上村昌博産業労働部長と長崎市の川口晴寛商工部長が主催者挨拶を述べた。
基調講演を「NEDOのスマートコミュニティ実現に向けた取り組み」と題し、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構の渡辺慶一氏が、低炭素社会の基盤となるスマートグリッド(※2)において、普及が見込まれ現在も大きく成長している太陽光発電の現状を紹介した。
スマートコミュニティ(※3)の必要性とその方向性に触れ、海外(アメリカ・フランス他)と国内(横浜市・豊田市他)で整備が進んでいる導入事例を紹介し、各プロジェクトの概要や予算規模、電力系統を詳細に説明した。
最後に、将来的に再生エネルギーの大量導入が予測されると示し、スマートコミュニティ構築には、業種横断的な連携協力と官民が一体となって取り組むことが重要と提言した。
続いて東長崎エコタウン構想に関連する事例発表が5件用意され「バイオマス」「メタン発酵」「太陽光と電気自動車」「リチウムイオン電池」「スマートハウス」について発表があった。
坂井正康客員教授はバイオマスエネルギーについて解説し、長崎市内に本年稼動する新型プラントがガス発電とメタノール合成を両方行うという先進的な取り組みについて発表、順調に稼動すれば国内初となる事例が紹介された。
石橋康弘教授は、下水処理場の下水汚泥を分解しメタンガスを抽出するという仕組みを解説し、これまで大分・別府温泉で発見した微生物を研究してきたが、同じような性質を持つ微生物を長崎・雲仙温泉から発見し、実験でも効果が認められたことを発表、純長崎県内産のメタン発酵システム構築に意欲を見せた。
吉田博久氏は太陽光発電とリチウム電池を利用した次世代充電システムについて、電気自動車への応用を説明、コストが高いことを課題に挙げた。
山邊時雄教授は、電気自動車に用いられるリチウムイオン電池の構成および高容量化に向けた開発の最前線を説明、太陽光や風力発電への将来的な活用と応用について解説した。
中村良道氏は、太陽光・風力で発電されたエネルギーを制御管理できる住宅の定義や概要を解説し、個々の小さな家庭での段階でCO2発生を抑制しエネルギーを循環させる仕組みが大切と方針を示した。
総合討論では、「東長崎エコタウン構想:スマートコミュニティづくりとは?」をテーマに、企業のCO2排出削減の取り組みや県内のエコに関する先進的な事例が紹介され討議が進んだ。東長崎地区には造園業が多く剪定後の木類をバイオマスの原料として利活用することに期待する意見や、エコタウン構想の対価として現在高めの公共交通運賃を割引適用する提案、生ゴミをバイオマス処理とは別に堆肥や飼料化させる提案などが出された。
目指す方向として、住民の意識を共有し個々が自立しながら連携し、地域の特性を活かした安全安心な街として、自治体や企業も相互連携し、環境負荷の少ない街づくりへの議論が行われた。
■NEDOエネルギーセミナーin長崎
『東長崎エコタウン構想 ~環境エネルギーによる街づくりを目指して~』
式次第(演題、講演者)pdf
http://www.nias.jp/event/110219-5.pdf
※1--- “東長崎エコタウン構想”とは、本学が立地する東長崎地区に低炭素化社会に向けた未来型エコタウンをつくる構想で、下水処理施設のメタンガス発電やバイオマスガス発電施設を設置し、スマートグリッド技術により地域の電力消費量を最小限に抑え、CO2発生を減らしながらエネルギーの地産地消を図り循環型社会の構築を目指すもの。
※2--- “スマートグリッド”とは、発電された電力を情報通信ネットワークで利用し、電力供給に付加価値を付けた次世代電力送電網のことで、分散型電源や双方向通信などを可能とした高効率で高品質、高信頼度の電力供給システムのこと。
※3---“スマートコミュニティ”とは、スマートグリッドや住宅・企業の太陽光発電、風力発電、電気自動車のインフラ整備、などの省エネルギー社会を目指すシステムを備えた地域のこと。
□新技術創成研究所
http://www.nias.jp/center/ri4/
□独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構
http://www.nedo.go.jp/
□長崎県
http://www.pref.nagasaki.jp/
□長崎市
http://www1.city.nagasaki.nagasaki.jp/n_city/