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長崎総合科学大学第1回公開講演会『新しい時代の感性とデザイン』を開催(10/22)

 長崎総合科学大学第1回公開講演会『新しい時代の感性とデザイン』が10月22日(土)、グリーンヒルキャンパスにて、一般来場者、学生、教職員の参加で開催された。

 基調講演を、筑波大学大学院教授の山中敏正氏が、感性の概要や定義を感性価値や感受性、感性研究の歴史などに項目を分けて解説。企業戦略に活用されている応用事例として、脳科学を応用したマーケティング戦略や感性工学の観点による製品開発が紹介された。
 またビデオ映像により、美術館等で観賞を間接的に支持するロボットやレーザー光線を放ち障害物に当たると音が出る楽器型機械など、感性を働かせる新しい研究事例が報告された。これまでのようにロボットが人に対して説明したりするものではなく、人がロボットに興味を引かせることが大事と述べ、脳科学的な手法による認知・心理・感性価値の研究について解説した。

 次に、東京工科大学教授の若林尚樹氏が、大学が共同でコーディネートしている新江ノ島水族館の展示手法やイベントについて事例を紹介した。
 子供向けに企画したイベントで、館内の魚を鯉のぼりのように紙で工作したことや、実物大の手作り図鑑を作るために実際にイルカに触れて採寸するなど、体験と工作をとおして気づきや興味を持たせ魚への関心を高めていくことの重要性と学習環境のデザインプロセスを解説した。
 営業時間終了後の水族館を会場にした大学ゼミ活動も紹介され、徹夜でワークショップを実施し水族館の新たな企画を生み出した過程を、学生の様子とともにひとつの学びのデザインとしての展開を説明した。

 続いてのパネルディスカッションでは、感性の重要性とデザインによる地域復興、デザイン分野の将来性をテーマに討議が進められ、改めて感性の定義に触れながら、感性がもたらす日常生活の影響と活用について話題が及んだ。最後にパネラーから、職業としてのデザイナーを志す学生に向けて、狭い領域にとらわれず問題意識を持ち主体的に行動することが大事と話し、その上にデザインが加わっていくとアドバイスが送られた。

 また講演会に先立ち、AUTODESK社の企業セミナーを開催。3Dや設計分野で利用が見込まれる3DCADやアニメーションの応用技術の紹介を中心に、一般来場者や学生が参加し熱心に受講していた。


●長崎総合科学大学 第1回公開講演会
『新しい時代の感性とデザイン』

◇企業セミナー
 「最先端の3次元モデリング技術の紹介(3Dや設計分野の応用技術)」
  オートデスク株式会社 教育機関担当 近藤 慎二 氏
◇基調講演
 「製品の魅力を支える感性価値研究」
  筑波大学大学院人間総合科学研究科感性認知脳科学専攻教授/日本感性工学会副会長 山中 敏正 氏
◇講演
 「感性の教育への応用(水族館における学びのデザイン)」
  東京工科大学デザイン学部デザイン学科教授 若林 尚樹 氏
◇パネルディスカッション
  (司会)本学准教授 梁 元碩
    山中 敏正 氏
    若林 尚樹 氏、
    公立はこだて未来大学情報アーキテクチャ学科准教授 姜 南圭 氏、
    本学教授 池末 純一


◇公開講演会
http://nias.jp/public/

◇情報学部知能情報学科
http://www.it.nias.ac.jp/haci/

◇筑波大学大学院人間総合科学研究科
http://www.chs.tsukuba.ac.jp/

◇東京工科大学デザイン学部
http://www.teu.ac.jp/gakubu/design/index.html

◇公立はこだて未来大学情報アーキテクチャ学科
http://www.fun.ac.jp/department/mediaarch.html

講演会の様子

講演会の様子

講演する山中氏

講演する山中氏

講演する若林氏

講演する若林氏