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長崎総合科学大学第3回公開講演会『クリーン&エコへ挑戦する造船技術』を開催(11/26)

 長崎総合科学大学第3回公開講演会『クリーン&エコへ挑戦する造船技術』が11月26日(土)、長崎県勤労福祉会館にて、一般来場者、学生、教職員など約220名の参加のもと開催された。

 はじめに国土交通省の今出氏は、基調講演「最近の船舶産業政策―世界をリードするクリーン&エコ船舶を目指して」と題して、船舶産業政策の基本や、海事分野における日本の地位、環境問題の変遷について解説した。海運や造船の省エネルギー化には総合的な技術力が問われていて、日本はその技術を有していると話した。ルール作りと技術開発を連動して、世界をリードするクリーン&エコ船舶を目指し、次世代船舶を供給するために、NOx削減や省エネ船、液化天然ガス燃料船のプロジェクトも紹介した。

 次に日本郵船の小杉氏は、「NYN Super Eco Ship 2030」と題して、国際海運を取り巻く環境問題や、日本郵船の取り組み、環境に優しいNYKスーパーエコシップ2030のプロジェクトを紹介。特にNYKスーパーエコシップ2030においては、誕生の背景や、自然エネルギーの利用を工夫した二酸化炭素排出削減方法を説明。講演の最後には映像も放映され、来場者は関心の目で見入っていた。

 続いて三菱重工業の佐藤氏は、「地球環境に優しい船を造る ~ 三菱重工の挑戦」と題して、三菱重工業の船舶開発に適用される各種省エネ技術を紹介。太陽光パネルを用いた自然エネルギーの利用や、リチウムイオン二次電池を使ったCO2排出0のゼロエミッションへの挑戦、またディーゼル主機プラントにおける排熱回収する技術など、様々な取り組みを紹介した。これらの技術を組み合わせ織り込んだ最新鋭のコンテナ船「MALS14000コンテナ船」の開発事例を説明した。

 大島造船所の森氏は、「CO2削減50%に向けた一造船所の歩み」と題して、造っている船の紹介、省エネ船開発計画・状況、実航海・荷役時での省エネ、更なる省エネのための2機2軸化などの取り組みを紹介。また、大島造船所の様々な技術要素を搭載した「Oshima Eco-ship 2020」についても説明された。

 最後に本学船舶工学科の池上氏は、「浮体式 洋上風力発電について」と題して、排他的経済水域面積が広い海洋大国である日本には「海洋資源大国」になるポテンシャルがあるとして、日本に有効な発電技術「浮体式洋上風力発電」を紹介した。環境省が行っている実証事業も併せて紹介し、普及への課題について言及した。

●長崎総合科学大学 第3回公開講演会
『クリーン&エコへ挑戦する造船技術』

◇講演
 基調講演:
 「最近の船舶産業政策
   - 世界をリードするクリーン&エコ船舶を目指して-」
  今出 秀則 氏 (国土交通省海事局船舶産業課長)

 ゲスト講演:
 「NYK Super Eco Ship 2030」
  小杉 桂子 氏 (日本郵船㈱環境グループチーム長)

 「地球環境にやさしい船を造る ― 三菱重工の挑戦」
  佐藤  功 氏 (三菱重工業㈱航海技術総括部長崎航海技術部長)

 「CO2削減50%に向けた一造船所の歩み」
  森  茂博 氏 (㈱大島造船所戦略的船舶技術研究開発本部リーダー)

 「浮体式洋上風力発電について」
  池上 国広(本学工学部船舶工学科教授)


◇公開講演会
http://nias.jp/public/

◇工学部船舶工学科
http://www.ship.nias.ac.jp/

講演する今出氏

講演する今出氏

講演する小杉氏

講演する小杉氏

講演する佐藤氏

講演する佐藤氏

講演する森氏

講演する森氏

講演する池上氏

講演する池上氏