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公開講演会『21世紀の科学技術~スマートグリッドの現状と将来~』が開催される(2/2)

 長崎総合科学大学新技術創成研究所とNRCの共催により、第9回公開講演会・産官学金連携サロン『21世紀の科学技術』(スマートグリッドの現状と将来~情報技術とエネルギー技術からの展望~)、が2月2日(木)、長崎新聞文化ホール(長崎市茂里町)において、産学官金の研究開発者や関係団体、学生・教職員を含め約110名の参加で開催された。

 開会に当り、新技術創成研究所長の山邊時雄教授ならびに貴島勝郎学長が開会の挨拶を述べた。
 低炭素社会の実現に向けた次世代のエネルギー基盤「スマートグリッド」の現状について、国内外の取り組みや電力網の特性、今後の応用まで、最先端研究の講演4件と総合討論が行われた。

 基調講演として、財団法人電力中央研究所の栗原郁夫氏が「スマートグリッドを巡る海外の動向とわが国のスマートグリッド」と題し、世界中に広がりつつあるスマートグリッドの概略と定義、欧米の取り組みや歴史的背景を解説。国内においても安定運用や停電復旧など各種の自動化が進められていたが東日本大震災以降再生可能エネルギーの期待が高まり、スマートグリッドやスマートコミュニティへの取り組みが一層加速されたと動向を示した。

 住友電気工業株式会社の佐野裕昭氏は、太陽光や風力などの再生可能エネルギー発電設備と蓄電池を直流(DC)で連系させた、自社開発のマイクロスマートグリッド実証システムについて解説した。

 株式会社コベルコ科研の渡部孝氏は、今後負荷平準化効果が期待される大容量のリチウムイオン電池の安全性について、異物混入や衝突破損など何らかの要因により引き起される、発熱、漏液、発煙、破裂、発火等の最新の分析評価技術とその重要性を説明した。

 大阪ガス株式会社の田村英夫氏は、太陽光発電とコ-ジェネの協調制御など、電力と熱エネルギーをICTにより繋ぎ合せて効率的に利用する、次世代エネルギー社会システム「スマートエネルギーネットワーク」の概要と実証化事業について発表した。

 総合討論では「環境エネルギーによるサステイナブル社会実現のための今後のキーテクノロジーとは」をテーマに、まず本学の村上信明特命教授が、バックアップ電源としての木質バイオマスを利用した高カロリーガス化発電技術、液体燃料化技術について解説。杉田勝客員教授はリチウムイオン電池の動向と電極材料の研究について説明した。パネリストからはスマートグリッドの基盤整備に関わる諸問題のほか、電力の安定供給や安全性など具体的な事例を紹介しながら将来への可能性を探った。



新技術創成研究所第9回公開講演会・NRC産学官金連携サロン
 『21世紀の科学技術』
  スマートグリッドの現状と将来~情報技術とエネルギー技術からの展望~

基調講演 「スマートグリッドを巡る海外の動向とわが国のスマートグリッド」
   財団法人電力中央研究所 システム技術研究所所長
     栗原 郁夫 氏

講演①「住友電工のマイクロスマートグリッド実証システムとその狙い」 
   住友電気工業株式会社 研究統括部企画部長
     佐野 裕昭 氏

講演② 「蓄電デバイス開発を支える評価・分析技術」
   株式会社コベルコ科研 エレクトロニクス事業部技術部主任研究員
     渡部  孝 氏

講演③ 「スマートエネルギーシステムへの取り組みについて」
   大阪ガス株式会社 エンジニアリング部エネルギーソリューションチームマネージャー
     田村 英夫 氏

総合討論 「環境エネルギーによるサステイナブル社会実現のための今後のキーテクノロジーとは」
司会 : 新技術創成研究所教授 田中義人
パネリスト : 栗原郁夫氏、佐野裕昭氏、渡部孝氏、新技術創成研究所特命教授 村上信明、同客員教授 杉田勝



□長崎総合科学大学大学院新技術創成研究所
http://www.nias.jp/center/ri4/

□財団法人電力中央研究所
http://criepi.denken.or.jp/

□住友電気工業株式会社
http://www.sei.co.jp/index.ja.html

□株式会社コベルコ科研
http://www.kobelcokaken.co.jp/

□大阪ガス株式会社
http://www.osakagas.co.jp/index.html

講演会の様子

講演会の様子

講演する栗原氏(左)、佐野氏(右)

講演する栗原氏(左)、佐野氏(右)

講演する渡部氏(左)、田村氏(右)

講演する渡部氏(左)、田村氏(右)

会場の様子

会場の様子