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文部科学省「緑の知の拠点事業」シンポジウム~平成24年度成果報告会~を開催(2/16)

 本学大学院新技術創成研究所では、文部科学省大学発グリーンイノベーション創出事業「緑の知の拠点」の3年間の事業が採択されており、2年目となる今年度までの成果報告会が2月16日(土)、ベストウェスタンプレミアホテル長崎で開催され約110名の大学ならびに企業関係者等が参加した。

 基調講演として、東京大学生産技術研究所エネルギー工学連携研究センターの荻本和彦特任教授が「エネルギーシステムインテグレーション ~電力需給の将来~」と題して講演した。荻本特任教授は、需給調整力確保の問題や需要を工夫することによる需要の能動化などについて触れ、「需給バランスの変動を上手に調整していくのがテクノロジーの役割である」として、持続可能な社会な社会に向け、電力以外のエネルギーである熱、ガス、燃料を含めてあらゆる可能性を組み合わせるエネルギーインテグレーションについて述べ、今後のエネルギーシステムのあり方を提起した。

 続く招待講演では、長崎大学大学院工学研究科電気・情報科学部門電気電子工学分野の黒川不二雄教授が「グリーンイノベーションのためのスマートパワーエレクトロニクス技術」と題して講演し、再生可能エネルギーの利用など、省エネルギー化するために重要となる技術などについて解説したうえで、スマートパワーエレクトロニクスの効果について述べた。

 成果報告会では、本学がこれまで取り組んできた2年間の進捗状況について、研究代表者の田中義人教授が説明した後、「バイオマス発電」「潮流発電」「高性能リチウム電池」「モデル化」の各グループ別の報告が本学教授、研究員ならびに大学院生により行われた。

 講評では、京都大学 前産官学連携本部長で、新技術創成研究所客員教授の牧野圭祐先生から、「本学のスケール規模で全学的に力を合わせ、難しいエネルギー・環境分野の研究に積極的にチャレンジしている姿勢に大変感心した。今後も大学本来の役割として、サイエンスの追求していく中で、この研究成果をポートフォリオ化し、知的財産化ならびに技術移転につなげていって欲しい。」と締めくくった。

 本学は、環境エネルギー技術に関する研究成果を基盤 に、2009 年「東長崎エコタウン研究会」を発足させ、2010 年からは「東長崎エコタウン構想」を掲げ、名称を「地域連携研究会」に発展的に改称し、議論を積み重ねてきた。その後、「東長崎エコタウン構想」の環境に優しい未来型都市づくりの第一歩として、東長崎エコタウン協議会を発足した。学内に「マイクログリッド」を設置し、次世代のエネルギー源を提案するとともに、電力消費を減らす「自立型のスマートグリッド」を提案していく予定。

成果報告会の様子

成果報告会の様子

荻本和彦氏による基調講演

荻本和彦氏による基調講演

黒川不二雄氏による招待講演

黒川不二雄氏による招待講演

成果報告会でバイオマス発電グループの報告をする下釜太洋さん(本学大学院工学研究科生産技術学専攻2年)

成果報告会でバイオマス発電グループの報告をする下釜太洋さん(本学大学院工学研究科生産技術学専攻2年)

会場は熱心な参加者で埋め尽くされた

会場は熱心な参加者で埋め尽くされた