長崎の有志により設立された「ながさきビッグデータ研究会」の設立シンポジウム(主催:長崎県異業種連携・交流会、長崎総合科学大学)が1月27日、本学グリーンヒルキャンパスで開催され、県内企業の方々を中心に約100名が参加しました。
この研究会は、長崎県の中小企業等がビッグデータをビジネスに活用するため、研究成果などをオープンに議論し、専門家同士のネットワークを広げることを目的に設立されました。3ヶ月に1回ぐらい定期的に開催される予定で、観光の振興などは、長崎県の最も身近なターゲットになりそうです。
発起人は、本学大学院 新技術創成研究所所長の田中義人教授を中心として、江藤春日客員教授、東京大学東京大学先端科学技術研究センターの稲田修一特任教授、長崎県異業種連携・交流会の企業の方々です。
シンポジウムでは、本学の貴島勝郎学長が主催者あいさつ、長崎県工業技術センター所長の馬場恒明氏が長崎県代表として来賓あいさつをしました。田中義人所長が研究会の設立経緯、目的、今後の予定などを紹介した後、九州大学 理事・副学長・システム情報学府情報知能学専攻教授の安浦寛人氏による基調講演が行われました。
「ビッグデータと新しい社会情報基盤」と題して、「情報技術の進歩は、人類史的にみて異常な技術革新である」こと、「現実の世界(この世)とサイバー空間(あの世)を結ぶ技術がビッグデータである」こと、九州大学を中心としたグループでは「都市OS」の開発を通じて、ビッグデータの標準化に取り組んでいることなどが述べられ、「現在の我々は大きな時代の変換点にいるのかもしれない」という非常にインパクトのある予測がなされ、大変白熱した講演でした。
また、本学の研究事例発表として、大学院工学研究科の劉 震教授が「ビッグデータで活用可能なデータマイニング手法」、同じく工学研究科の杉原敏夫教授が「テキストマイニングをもとにした職場意識の把握とその活用事例-経営工学へのビッグデータ利用の一つの試み-」と題して、それぞれ発表しました。杉原教授のアンケートの自由記述欄からの意識解析は、科学研究費で実施されたもので、ビッグデータ活用として大変ユニークな研究です。
東京大学稲田修一特任教授による閉会挨拶では、この研究会の意義と将来性がとりまとめられ、2時間以上に及ぶシンポジウムは幕を閉じました。
□長崎総合科学大学 新技術創成研究所
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