本学 大学院 新技術創成研究所 公開講演会「21世紀の科学技術」~海 世界最深の生命圏と海底観測~』を12月10日(土)、平安閣サンプリエール(長崎市元船町)で開催しました。
長崎の地で先端科学や技術の最前線に関する理論や動向に触れる機会を提供することを目的とした講演会も今回で14回を数え、今年は「世界最深の生命圏と海底観測」をテーマに開催しました。長崎県内の高校生や一般市民など230名が熱心に聴講しました。
稲垣史生氏(海洋研究開発機構)の基調講演では、深海の底をさらに掘ると生物はどの深さまで生きているのか。世界最高の掘削能力を持つ地球深部探査船「ちきゅう」で水深1,180mの海底下をさらに地球の深部へ向けて2,466m(世界記録)まで掘り進め、そこに生息する微生物のサンプル採取に成功。生命誕生の謎や天然ガスやメタンハイドレートといったエネルギー資源物質の形成など様々な角度から検証し解き明かされていく地球のメカニズムについて講演頂きました。
川口勝義氏(海洋研究開発機構)は、地震や津波の発生予測はどこまで正確にそして迅速に世界に発信することができるのか。これまでの常識を覆す地震や津波の発生予測を実現不可能と言われた、まさにSF映画さながらの海底ケーブルネットワークの開発成果について講演いただきました。
また、本学を代表して、総合情報学部知能情報コースの佐藤雅紀准教授が「水中ロボットをつくろう!」、本学学生で大学院工学研究科修士1年の平 昂清さんが「スコットランドの海洋エネルギー実証フィールド」と題して研究発表を行いました。
会場内には、一対一で講師に質問が出来る「質問コーナー」が設置され、海を題材とした先端科学の話題に目を輝かせる大学生や高校生の姿が見られました。
また、新技術創成研究所では今年「海洋エネルギー研究センター」を設置しました。本学の造船工学、海洋工学に係る教育研究70年の経験をいかし、海洋産業の基盤技術となる船舶工学・流体工学・構造工学等を用いた研究開発、新事業形成。そして、長崎の海洋産業クラスターを担う人材育成に力を注いでまいります。
□新技術創成研究所
http://www.iist.nias.ac.jp/