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長崎総合科学大学第6回公開講演会を開催(12/4)

 長崎総合科学大学第6回公開講演会「持続可能な開発のための教育(ESD)と地域づくり」が12月4日(金)、長崎歴史文化博物館1階ホールにて、一般来場者、学生、教職員を含め60名の参加で開催された。

 基調講演を国際連合大学高等研究所上席研究員 名執芳博氏が「何故今ESDなのか?」と題し、世界各地で起こっている人口増加、食糧不足などの諸問題(社会、経済、環境)を挙げ、その課題や問題を解決するためのESD(持続可能な開発のための教育、Education for Sustainable Developmentの略)の意義および必要性を解説し、宮城県やアフリカ諸国など国内外で普及活動に取り組んでいるESDの実例を発表した。
 ESDの特徴として、環境問題への取り組みからESDを始める地域が多く、環境問題が関わっていないESDは少ない。ほとんどの活動が安心して暮らせるような住民参加型の地域社会づくりを指向していると説明。更にESDの普及は学校の役割が大きく、加えて地域と連携して取り組むことが一層の発展を見込めると、学校の役割の重要性を示した。また課題として、交流や活動拡大および仕組みづくりに長けた人材の育成と活動のための資金確保を挙げた。
 国連が提示しESDを推進している「国連持続可能な開発のための教育の10年」にも触れ、現在残すところ5年となり、今後に向け推進していく姿勢を示した。

 続いてのパネルディスカッションでは「持続可能な開発のための教育(ESD)と地域づくり」と題し、市民・行政・大学の分野からなる6人のパネラーが、各々の地域活動や町おこし、環境への取り組みなどの事例を発表。
 限界集落と呼ばれる過疎地域の活性化策や、社会観・価値観の変化や環境問題、小学校での環境ISO活動、住民主体による伝統行事の継承・地域づくり活動、古紙回収による地域通貨でのコミュニケーション・地域力向上、など地域密着型の活動についてESDを捉えてディスカッションした。


●長崎総合科学大学 第6回公開講演会

「持続可能な開発のための教育(ESD)と地域づくり」

◇基調講演
  「何故今ESDなのか?」
  講師:国際連合大学高等研究所上席研究員
    名執 芳博 氏

◇パネルディスカッション
  「持続可能な開発のための教育(ESD)と地域づくり」
 コーディネーター
  本学環境・建築学部建築学科教授
    宮原 和明
 パネラー
  国際連合大学高等研究所上席研究員
    名執 芳博 氏
  長崎大学環境科学部教授
    早瀬 隆司 氏
  南島原市役所市民生活部環境課参事
    烏山 貞俊 氏
  白木町自治会自治会長
    小柳 伸一郎 氏
  環境・建築学部人間環境学科教授
    横山 正人
  

●環境・建築学部人間環境学科
http://www.he.nias.ac.jp/

基調講演する名執氏

基調講演する名執氏

講演会の様子

講演会の様子

講演を聞く来場者

講演を聞く来場者

パネルディスカッションの様子

パネルディスカッションの様子

積極的な質疑応答が行われた

積極的な質疑応答が行われた