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「里海・里山再発見シンポジウム」で繁宮悠介人間環境学科講師が基調講演を行う(1/31)

 里海・里山や水産業・農業の大切さについて考えようと、「里海・里山再発見シンポジウム」が1月31日(日)、長崎市の主催で本学シーサイドキャンパス講義室において開催され、一般市民や水産関係者、学生含め約60人が参加した。
 はじめに基調講演を、繁宮悠介環境・建築学部人間環境学科講師が「里海・里山のこれまでとこれから」と題し、里山の形成について詳しく説明、里海と里山のバランスが保たれている海と山は豊富な生き物や作物が育ち、自然が循環して良好な生態系が成り立っていることを解説した。一方で現在は河川工事や化学肥料の使用等によりこれが荒廃しつつある実情を懸念した。
 また、東長崎地区における里海・里山について、中尾・古賀地区の田畑や、地元の狂言や人形などの伝統文化に触れ、網場湾を抱くように形成されている東長崎の自然と集落を分析し図解で紹介した。
 これからの里海・里山は一次産業の利用だけでなく、環境学習や食育、森林セラピーなど人との関わりを増やしながら、環境保全と地域の活性化に役立てることを提唱した。

 続いて、中国福州市から研修員として長崎市水産センターへ派遣されている蔡雷鳴氏が、福州市は水産資源が豊富で養殖業が盛んなこと、夏季に禁漁期間があり漁獲量を調整していることなど中国福州市の水産事情について発表した。

 この他、長崎市と福州市の水産交流により、福州で盛んなアワビの養殖技術を長崎で活かし、将来はブランド品化しようとする取り組みや、海草アマモをペンギン水族館近くの海へ移植している事業、長崎外海地区の大中尾棚田でまちおこしに取り組んでいる事例が発表された。

 最後に、発表者全員でディスカッションし、里海・里山の大切さや資源の活用について会場が一体になって考えた。
 また、会場前ロビーでは、水産センターで養殖されているマダイ、アジ、ヒラメ、アワビ他の展示もあった。


「里海・里山再発見シンポジウム」

1.基調講演
 「里海・里山のこれまでとこれから」
   繁宮悠介 環境・建築学部人間環境学科講師

2.特別講演
 「中国福州市の水産業について」
   蔡雷鳴 中国福州市海洋与漁業技術センター主任
 「長崎市と中国福州市との水産交流について」
   永田裕徳 長崎市水産センター技師

3.調査事例発表
 「網場湾のアマモ場について」
   伊東恒雄 長崎市水産センター栽培係長
   中村拓朗 長崎ペンギン水族館飼育展示課職員
 「神からの贈り物 -大中尾棚田-」
   桐谷匠 長崎市農業振興課企画農政係長


○環境・建築学部人間環境学科
http://www.he.nias.ac.jp/

○長崎市水産センター(ながさきおさかなウェブ)
http://www1.city.nagasaki.nagasaki.jp/sakana/suisan/index06.html

シンポジウムの様子

シンポジウムの様子

基調講演する繁宮講師

基調講演する繁宮講師

発表者全員でディスカッション

発表者全員でディスカッション