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第4回東長崎エコタウン研究会が開催される(2/19)

 「東長崎エコタウン研究会」が2月19日(金)、グリーンヒルキャンパスで一般来場者、学生、教職員約35名の参加のもと開催された。
 この研究会は、本学のユニークで先進的な研究成果を広く理解していただくとともに、本学が立地している東長崎地区への貢献、地域発展を考えていこうと発足し、今回で4回目の開催。
 会では地域社会と連携した取り組みや建物の免震装置などをテーマに3件の発表があった。

 はじめに山田由香里准教授が、歴史ある家屋を保護するための登録文化財制度の概要と、申請までの過程を、平戸市の武家屋敷(個人所有)の実例をもとに解説。他にも県内の個人所有登録文化財とその特徴を写真で紹介した。山田准教授は個人所有者が集まる情報交換会を発足し、各自の取り組みなど情報を共有する展開に携わったことを発表した。
 また、本学のシーサイドキャンパスにある21号館(旧長崎水族館本館)について、竣工50年が経ち市民にも親しまれ登録文化財への可能性があることを示唆した。

 安井信行准教授は、建物の緩衝部材として用いられるダンパーについて、コンクリートカーテンウォールとダンパーを組み合わせた各種実験結果をグラフ化し視覚的に強度やエネルギーの吸収について説明した。阪神大震災以降、免震新装置の改良が進み、建物内にダンパーを適宜設置しそこへ力を逃がし建物を守る、という仕組みになってきていることを解説。ダンパーを数多く設置することで免震効果が増すが、一方でコストがかかることを指摘。低価格化へ向けて研究を進めていることも説明した。

 宮原和明教授は、地球温暖化の要因とされる温室効果ガス排出抑制に向けて、市民運動的に展開されている「ESD:持続可能な地域社会をつくる教育の開発」の概念と取り組みを解説。市民がCO2を減らそうと努力しているドイツの事例や海外の環境先進国を紹介し、諸外国に比べ日本は温室効果ガスの排出が増加傾向にあること、および工場からの排出は減少傾向にあるが、家庭からの排出が減っていないことを指摘した。
 また、大学生と地域の子供たちが環境問題等を解決する学びの場を構築し、地域の課題に対し本学の研究がどう対処できるか、新技術創成研究所と地域科学研究所の役割を今後に向けて提言した。

 最後に貴島勝郎学長が、本学のユニークな研究を社会貢献・地域貢献として少しずつ外へ広げ、自治体や地元自治会からもテーマを出してもらい、一緒になって考えながら活発な交流会にしていきたいと、東長崎エコタウン研究会の活用について考えを示し閉会の挨拶を述べた。


「第4回 東長崎エコタウン研究会」

■研究発表
1.「長崎県内における登録文化財所有者のネットワークづくり」
  環境・建築学部建築学科 山田由香里 准教授

2.「Pcaコンクリートカーテンウォールを利用した制振ダンパーに関する研究」
  環境・建築学部 建築学科 安井信行 准教授

3.「低炭素社会を創るために、今求められていること」
  環境・建築学部建築学科 宮原和明 教授

研究会の様子

研究会の様子

山田准教授の発表

山田准教授の発表

安井准教授の発表

安井准教授の発表

宮原教授の発表

宮原教授の発表

挨拶を述べる貴島学長

挨拶を述べる貴島学長