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【結果発表】2021年度 第24回全国高校生設計アイデアコンテスト

2021/10/22

2021年度 第24回全国高校生設計アイデアコンテスト
主催:長崎総合科学大学 工学部工学科 建築学コース
結果発表!!!
テーマ:「手を洗う空間」

審査経緯

2021年度全国高校生設計アイデアコンテストのテーマは、「手を洗う空間」としました。2020年春以降、私たちは新型コロナウィルス感染予防のために、一日に何度手を洗うようになったでしょうか。手を洗うたびに、この空間がどうしたらもっと楽しいものになるのか、どうしたらもっと快適になるのか想像してきました。そこで、どの世代でも手を洗いたくなり、楽しく手を洗うことで感染予防につながる「手を洗う空間」のアイデア提案を設定しました。
その結果、全国から20校45名の応募がありました。北海道から沖縄まで、建築・インテリア系の高校だけでなく、普通高校からも応募があったのは嬉しいことでした。
応募作品を見ると、よく考えられたアイデアに加え、環境持続可能性や、地域の歴史や文化に焦点をあて、高校生らしい視点でテーマを解釈し、課題に取り組まれたことが伝わってきました。視覚的な表現の力作も多かったです。アイデアを形にする時期は、各地の感染状況が予断を許さない状況だったと想像します。それでも、見事に表現して応募して下さったことに改めて感謝します。
審査は、建築学コースの教員と学生が1人5作品を選定して投票し、一定の得票数以上を第一次審査通過作品としました。その中から入賞に相応しい候補作品を選定し、慎重な審査の中から特に優れた1作品を最優秀賞、2作品を優秀賞としました。残る作品の中から入賞7作品を選びました(入賞は5作品を予定していましたが、良い作品が多いことから2作品増やしました)。

審査員長・山田由香里+建築学コース教員

審査風景

審査結果

 最優秀賞 
大阪市立都島工業高等学校(2年) 織田 真帆  さん
指導:川人 功治 先生

『これなぁに?~暮しに緑と安心を~』
どの世代でも楽しく手を洗いたくなる、というこちらが期待した点を最も具体的に楽しく表現してくれた案です。ショッピングセンターの入口に設置するという場面の設定に始まり、センサーで反応する蛇口の仕組み、スプレーで手に色を付けそれを洗い流すことで手洗いが確認できる視認性、SDGs(持続可能な開発目標)の3項目を取り上げた安全な循環水の活用、幼児から大人まで三段階に高さを変えた洗面ボールの設置。タイトルのとおり、これなぁに?と興味を引き寄せながら、環境に配慮した未来を見据えたメッセージを伝えてくれます。豊かなアイデアがひとつの空間として、大きな葉っぱの下に寄り添うようにデザインされているのも優れています。視覚的な表現も絵本の1ページのようです。傑出した作品として、デザイン、構造、環境の各分野の教員から高く評価されました。

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 優秀賞 
東京都立工芸高等学校(2年) 木田 栞 さん
指導:斎藤 俊博 先生

『日常にきらめきを~Shining Dome~』
手を洗う空間がキラキラしていたら、日常にきらめきが生れるのではないか。その着想を具体化するために、手を洗う空間をガラスのドームで覆い、二重にしたガラスの間にラメを舞わせて、頭上に輝きを演出する夢のある提案です。面白いのが、足元のペダルを踏むと手洗いの水が出るとともに、中央のパイプからドームにラメが噴出される。手を洗えば洗うほどキラキラする。楽しくなって、ますます手を洗ってしまう。そのワクワク感が、濃紺を背景にした描写に美しく表現され、優れた作品です。洗面台の高さが大人用と子供用にそれぞれ用意されているのも配慮が行き届いています。

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 優秀賞 
愛知県立愛知総合工科高等学校(3年) 植田 真央 さん
指導:菊池 大輔 先生

『水明』
鉛筆による描写表現が秀でている作品です。大きな貝を思わせる手洗い場は、外周に蛇口が高さを変えてぐるりと設置され、洗いやすい高さで手を洗うことができます。手洗い場の中央には、ひさご型のガラスで覆われたオブジェが置かれ、中には水とガラス細工の魚が飾られ、陽光を浴びながら刻一刻と景色を変えていきます。鉛筆のみの無着色の作品ながら、説明を読んでいると色を感じる不思議な作品です。詩的で大変美しい表現です。長崎には長崎くんちという秋の大祭があります。その傘鉾や船に飾られるビードロ(ガラス)細工の魚を連想させてくれます。おくんちはコロナ禍で2年間見送りになったのですが、この作品が、夕陽に光るビードロ細工を思い出させてくれました。

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入選
聖心女子学院高等学校(2年) 大塚 奈々 さん
指導:西村 まどか 先生

『Bubble Wash』
向かい合って会話をしながらも、安全に手を洗える空間を、泡をイメージした透明のドームで実現した作品。描写表現に透明感があり、ドームの素材と一体感があります。

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京都府立宮津高等学校(3年) 石川 裕貴 さん
指導:小谷 保雄 先生

『ハンドウォッシュラリー』
宮津教会堂を見に行ったことがあります。天橋立のそばにもカトリック教会堂が!とびっくりしました。宮津と長崎の共通項が壁絵となって浮き出る楽しい演出作品です。

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長崎県立長崎工業高等学校(3年) 増﨑 千咲 さん
指導:松尾 陽平 先生

『CMYKを楽しもう!!!』
CMYKを円筒形の壁の着色を通じて体験できる空間。インテリアの基本の色彩表現法を展開し、高校での学びを活かした作品です。

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京都市立京都工学院高等学校(3年) 松原 明里 さん
指導:京谷 敏男 先生

『御手洗』
マルセル・デュシャンを思わせる作品。これぐらいインパクトがあったほうが、コロナ禍の景気を勇気づけられるでしょう。学生に人気のあった作品です。

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大分県立日田林高等学校(2年) 諌山 拓人 さん
指導:小野 利幸 先生

『腕を広げて通り抜け路!!ウルトラファインバブルに包まれる手洗い空間』
トンネルを通り抜けると、洗浄効果のあるバブルが手を自動的に洗ってくれる作品。アイデアの具体性と模型写真を使った近未来的な表現が合致した作品です。

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大分県立大分工業高等学校建築科(1年) 園田 凌 さん
指導:月脚 俊彦 先生

『憩い手洗い空間~別府温泉のめぐみ~』
別府温泉には様々な湯の楽しみ方があり、それを手洗い空間に展開させた作品。同じ屋根型が別府のあちこちに置かれて街歩きができたらと、まちづくりまで想起させます。

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静岡県立科学技術高等学校(1年) 鶴橋 千聖 さん
指導:杉山 諭 先生

『A calm space』
手を洗う空間が楽器になったらと、提案を見ているだけで音を感じる作品。今年は6年ぶりにショパンコンクールが開かれ、この作品も再び音楽の楽しさを味わえます。

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ご案内

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