工学部工学科 電気電子工学コース
本学とイサハヤ電子株式会社との包括連携協定に基づき、2025年7月10日および17日に、清山浩司教授ならびに電気電子工学コースの学生が同社を訪問し、実践的な教育カリキュラムを実施しました。イサハヤ電子株式会社の現場で行われた今回の教育カリキュラムでは、現場の第一線で活躍する技術者から直接指導を受けることにより、学内での講義では得難い知識や視点を習得し、将来の進路に対する意識を高める貴重な機会となりました。
実践的な教育カリキュラム要項
- 実施日:令和7年7月10日(木)、17日(木) 13:00~16:15
- 場 所:イサハヤ電子株式会社(諫早市)
- 参加者:工学部工学科 電気電子工学コース 清山浩司教授及び3年生(10名)
- 講 義:電気電子工学実験2
電気電子工学実験2
テーマ:IC(集積回路)の設計と動作解析
コンパレータICの基本的な理解から実際の回路動作の確認、シミュレーションを活用した回路設計のスキルを学ぶ
- イントロダクション(座学)
- デバイス事業製品の開発をしている技術者からICの設計業務についての概説が行われました。続いて電子回路および回路シミュレーションの必要性についての説明がありました。
- コンパレータICの回路概要(座学)
- 電子回路における基本的な構成要素として、カレントミラー回路および差動入力回路の動作原理について説明が行われました。これらの回路がどのように機能し、相互に作用するのかについて、コンパレータICの構造とその動作の概要が具体的にわかりやすく説明されました。
- コンパレータの動作確認(回路シミュレーション)
- 回路シミュレーションソフト「LTSpice」を用いて、カレントミラー回路および差動入力回路の動作確認が行われました。これにより、回路の設計が実際にどのように動作するかを視覚的に確認することができました。また、コンパレータICを組み合わせた回路全体の動作もシミュレーションを通じて検証され、回路を構成するトランジスタのペアリングが崩れることによる動作への影響についても確認されました。
テーマ:素子の働き・電源制御技術の理解と特性評価
回路シミュレーションを通じて素子の働きと制御方法を確認、実際の電源回路の動作を学ぶ
- イントロダクション(座学)
- パワー事業製品を開発しているOBの技術者から電源開発で使われるシミュレーション技術の説明からはじまりました。シミュレーションを用いることで、実際の回路を作る前にその動作を確認し、問題点を事前に見つけ出す重要性が強調されました。
- 電源回路について(座学)
- 電源回路の基本的な構成要素についての説明が行われました。電源回路に使用される素子(部品)について詳しく学び、これらがどのように連携して電力を供給するのか、その動作の仕組みについて説明がありました。
- 電源回路のシミュレーション
- 実際に電源回路のシミュレーションを作成し、その動作確認を行いました。シミュレーション結果をもとに、理論と実際の動作が一致するかを確認し、またリアクトル(コイル)やコンデンサの値を変更した際に、回路の動作がどのように変化するか動きの違いを確認しました。