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バークガフニ教授がゲスト出演(4/29)

4月29日(日)、長崎歴史文化博物館において「市川森一名誉館長 奉行所トーク」に本学ブライアン・F・バークガフニ教授(人間環境学部環境文化学科)がゲスト出演し、「蝶々夫人と長崎」のテーマで講演しました。

市川氏より「私の大好きなブライアン・バークガフニさん。ついつい“ハンバーグさん”と言いそうになるんです。9年間京都の禅寺で修行、ある意味、我々以上に日本的。私たちが失った日本人の美徳をきちんと持っていて、そして誰よりも長崎を愛し続けています」「長崎は色々財産はありますが、昔から人が宝物です。その中で世界的に有名な蝶々さん。みなさんご存知の割には俗説が流布されすぎて、どれが真実の蝶々さんなのか。また、長崎の郷土史家は手をつけませんでした。ピュアで真実しか愛さない我らのブライアンさんが、タブーと言っていいのか蝶々さんの実像に触れる研究をなさったんです。」
「私も以前、テレビ朝日で『蝶々婦人は実在したのか』と題してドキュメンタリー番組を制作。フィラデルフィアなどの海外での取材などにより実在を確認した。現在、長崎新聞で毎週土曜日に『蝶々さん』を連載しているが、その基礎資料になったのがこの著書です」とバークガフニ教授の著書『蝶々婦人を探して』を紹介し、「皆さんには蝶々婦人の実像に触れていただきたい」と話された。

バークガフニ教授は、「私がハンバーグです。」「日本で最初に覚えた言葉が『どこの馬の骨かわからない』」「義理の母が私のことを『一番よか息子たい』」などのジョークを交えるトークで会場の聴衆をひきつけ講演がはじまった。
「グラバー園に行くとグラバー邸が「蝶々婦人ゆかりの地」と観光パンフレットに紹介されていて、ただ、単純になんでだろうと疑問・好奇心から蝶々さんを調べるようになった。蝶々婦人の一番の魅力は『日本人女性がどこまでも愛を貫き、相手が悪い人でも、相手を信じる姿』が普及の名作の理由。裏切り、無関心、薄情など人間関係の中で純愛を体験しない。それに対する憧れを持つ。それが小説や美しい音楽を作っていく動機になったのではないかと思われる。蝶々婦人のモデル。誰か特定の人がいると思いたいのは、やはりその純愛がこの世の中にあると思いたい。私も純粋な日本人女性に愛されたい。その作品を背景に憧れの心があると思われます。」と話し、また、「長崎歴史。長崎の実話。長崎の本当の姿こそが魅力的なもの。そして異文化と異文化の出会いの中で生まれるさまざまな摩擦とか、衝突。悲しい物語、楽しい物語、この町のいたるところにあると思います。それを掘り起こしていきたい」と語った。

■市川森一氏が名誉館長を務める長崎歴史文化博物館で、ふるさと長崎をさまざまな視点から語る「奉行所トーク」は博物館の開館から催されている名物トークショー。

詳細は長崎歴史文化博物館ホームページ参照。
 URL http://www.nmhc.jp/

ブライアン・バークガフニ教授

ブライアン・バークガフニ教授

会場の様子

会場の様子

バークガフニ教授を紹介する市川森一氏

バークガフニ教授を紹介する市川森一氏

講演後に記念撮影(写真右は大堀館長)

講演後に記念撮影(写真右は大堀館長)

「蝶々婦人を探して」かもがわ出版

「蝶々婦人を探して」かもがわ出版